ブレグジットでEUの大揉め ドイツとフランスの対立が表面化

イギリスのEU離脱問題が大揉めですし、これに関してEU側のドイツ・フランスで意見の齟齬が生じ、欧州の経済について懸念が深まっています。

まず、イギリスですが「合意なき離脱」か「最小限の合意をして離脱」かの二択になっています。後者の「最小限の合意をして離脱」がくせ者で、メイ首相のまとめた離脱案は実質的には「EUに所属し続ける」というものであるため、離脱派の許すものではありません。ですので、国民の民意が本当に「EU離脱」であるのなら、選択肢は「合意なき離脱」しかないことになります(もともとメイ首相はEUに属することをよしとしていました)。

合意なき離脱をイギリスが選択した場合、実質的に困るのはEU側ということになりそうです。以前からお伝えしているとおり、イギリスは金融一本で食べている国です。対するEUはクルマや農産物などを多くイギリスに輸出しています。全く何の合意もなくイギリスがEU離脱を行えば、この輸出がストップすることになります。もちろんイギリスも困りますが、売上を立てられなくなるEU側の方が痛みは大きいでしょう。

このEU側ですが、ここにきてドイツとフランスの対立が表面化しています。ドイツは「合意ある離脱」を望むために、メイ首相の「離脱延期要請」を大目に見ています。しかし、フランスのマクロン大統領は明確に反対を表明。メルケル首相との会談では合意に至ることができませんでした。

イギリスとEUの丁々発止はまだ続きます。市場はすでに「合意なき離脱」のリスクを織り込んで動いていると考えられますが、それでもブレグジットの進捗には敏感に反応するでしょう。ポンド・ユーロの動きは安定しないことが予想されます。

(柏ケミカル@dcp)