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イギリス清算金を踏み倒すか?

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ブレグジット(イギリスのEU離脱)についての諸々の交渉で、イギリスとEUの交渉が難航しています。話がかみ合わず両者の歩み寄りがあまり見られません。特に揉めているのが、イギリスが支払う「清算金」についてです。

イギリスがEUに支払うべき清算金、報道ではときに「手切れ金」などと表現されていますが、「手切れ金に対する考え方・金額」がEUとイギリスで全く異なります。

●EU側の主張
(離脱前に)拠出を約束済だった予算までイギリスは支払うべき
金額:1,000億ユーロにも達する

●イギリス側の主張
離脱日以降のEU予算は支払わない
金額:(一応)400億ユーロ

■予算が確定している分は払え! 大穴があくのは困る!

EUからすると予算に大穴があくと困りますので、ある程度の手切れ金はどうしても確保しなければなりません。イギリスが支払う予定だった分担金が消失すると、「その分をどうやって確保するんだ?」という話になります。

ドイツ、フランスなどのお金に余裕のある国が出すのか? あるいは、イギリスが支払うはずだった分担金をEU各国に割り振って新たな供出を求めるか? いずれにせよ、各国から「ふざけるな!」と声が上がりそうです。

この揉めている折も折、10月15日オーストリアでは「移民排斥」を訴える国民党が勝利しました(オーストリア下院選)。国民党を勝利に導いたのは若干31歳のセバスティアン・クルツ氏です。ちなみにクルツ氏が首相に就任すれば、世界最年少の国家指導者となります。

彼は「この国に変化の時が来た。本日、この国を変えるよう強い要請があったということだ(後略)」と発言しました。一枚岩でEUがまとまっているわけではありません。「イギリスが支払うはずだった分担金を残ったEU各国で……」なんて話が通るでしょうか!?

■離脱した後のお金は支払わない! 貿易協定は維持しろ!

さて一方のイギリス。イギリスからすれば、できるだけ安く済ませ、「EU域との自由な関税協定」だけはどうしても確保しないといけないのです。上記の400億ユーロという金額も、当初は英ジョンソン外相は「法外な金額!」と一蹴していました。また、予算なんか知るか! EUを離脱した後のお金なんか一切支払わない、という方針になっています。

当然EU側はふざけんな! と猛反発ですが、イギリスからすると、手切れ金の金額などよりも、関税同盟が結べるかどうかの方が大問題なのです。これでEUと貿易について手切れとなると、EU市場へのアクセスが難しく(面倒くさく)なるからです。

これを恐れた企業はすでにイギリスからの脱出(移転)を始めていますので、イギリスは何としてもEUから貿易協定について譲歩を引き出さなくてはならないのです。しかし、上記のとおりEU側は「まず清算金の話を終えてからだ!」なのです。

絶対に確保しないといけない、最もプライオリティーの高い課題が、両者で異なっているのが面白い点です。期限は2019年の3月まで。10月からは貿易協定についての話に入る……なんて予想されていたのですが、無理無理! でここまで来ました。

さて、この「イギリス対EUのどつき合い」はどうなることでしょう!? もちろん投資家は両者の一挙手一投足を見逃してはいけません。

(柏ケミカル@dcp)

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