先にご紹介した「2022民衆総決起大会」が行われました。
2022年01月15日午後、あの『全国民主労働組合総連盟』(民主労総)、農民・貧民団体などで構成される「全国民衆行動」が「2022民衆総決起大会」をソウル汝矣島公園で決行。1万5,000人が集まったとのこと。
しかし、現在韓国はコロナ禍に対応するため防疫体制を強化中。警察は許可を出さなかったのですが、この集会は電撃的に実行されてしまいました。
お昼ごろまでは、集会参加者は近所に分散し、三々五々集まって集会を決行したのです。
「不平等を乗り越えよう!既得権両党体制終了しよう!自主平等社会を開こう!」というスローガンを掲げ、「ろうそく政府を自任した文在寅政権に期待することもしたが、彼らも私たちの期待を裏切った」と声を上げました。
この日、ヤン・ギョンス民主労総委員長、朴興式全国農民会総連盟議長、キム・ジェヨン『進歩党』大統領候補などが出席。
「新型コロナウイルス感染症の拡散という懸念にもかかわらず、この場に集まった理由は切迫しているからだ」「私たちが再び広場に立った責任は全て政府にある」と主張しました。
今回の「全国民衆行動」の決議文の中に興味深い項目があるのです。以下をご覧ください。
●非正規職撤廃およびすべての労働者に勤労基準法適用
●環太平洋経済同伴者協定(CPTPP)参加反対
●米韓連合訓練の永久中断
etc
『CPTPP』加盟に反対する項目が入っています。これは、韓国では『CPTPP』に加盟すると農業・漁業分野で韓国に不利だという認識があるためです。「全国民衆行動」には農業に携わる皆さんも参加していらっしゃるので当然の決議かもしれません。
しかし「米韓連合訓練の永久中断」というのは非常に政治的な表明です。
これについては進歩勢力の主張がそのまま反映された結果でしょう。韓国の左派は北朝鮮に利する駐韓米軍の排除を目指しています。文在寅大統領、大統領候補である李在明(イ・ジェミョン)さんも同じです。
信じられない矛盾ですが、安全保障は米軍頼みであるのに、米軍を追い出したいのです。
韓国政界でやたらに「自主国防」という言葉を聞くとは思われないでしょうか。この自主国防は「在韓米軍撤退」の言い換えなのです。
文在寅大統領、現政権を非難する集会でしたが、当の文大統領は……すたこら外遊へ。
「2022年01月15~22日、6泊8日の日程でアラブ首長国連邦(UAE)、サウジアラビア、エジプトの中東3カ国を歴訪」するので、韓国を後にしていなかったのです。
つくづく文大統領は、体裁のいいところだけは出て、非難の矢面に立たない人です。すごい大統領ですね。
(吉田ハンチング@dcp)