新大統領の誕生によって韓国内で戦いが始まるとご紹介しましたが、その火は大きくなろうとしています。
表には出せない「昼食会が流れた理由」
末期の末期になった文在寅大統領と尹錫悦(ユン・ソギョル)新大統領側の神経戦が激しさを増してきました。
03月16日に予定されていた文大統領と尹錫悦(ユン・ソギョル)さんの昼食会が流れて以降、両陣営共「早いうちに新旧大統領の会合は早い内に行われるのが望ましい」といった原則論に終始していました。
しかし、二人がいつ会合を行うのかについては両陣営ともモゴモゴと歯切れが悪かったわけです。
しかも面白いのは、青瓦台・大統領府側が「なぜ昼食会が流れたのかについては、お互いに口外しないことで合意した」などと述べています。
つまり、「口外されるとマズイ」ということです。
先にご紹介したとおり、何が問題になったのかについては韓国メディアからいろいろな報道が出ています。例えば「『韓国銀行』の総裁人事」「鑑査院の空席なっている2人の人事」と、人事権について新旧権力が激突したと指摘する内容が多いのです。
しかし、「文在寅大統領が自分を訴追しないという保証を求めた」という意見もあります。もし本当であれば、これなどは最も表に出せない話でしょう。
いかに新旧権力が折り合わないかの証明
しかし、いつまでも新旧大統領の会談を流れたままにしておけません。
2022年03月21日、尹錫悦(ユン・ソギョル)さん側のキム・ウネ広報担当が「文大統領と尹当選者の会談のための実務調整について、チャン・ジェウォン(尹さん側:筆者注)秘書室長とイ・チョルヒ大統領府政務首席の会合が本日行われる可能性が高い」と公表しました。
まず、この実務調整会談で決裂しないかどうかが見物です。
文在寅という人は、なぜか「自分が直接乗り込めばなんとでもなる」と思い込んでいます(朝鮮の皆さんはもしかしたらみんなボス交が好きなのかもしれません)。
米韓首脳会談でも南北首脳会談でもそうでしたし、外遊に出てはその国の首脳に原発や武器の売り込みを行っている姿勢でも明らかです。
このような実務調整は文大統領には面倒くさいのかもしれませんが、なにせ尹さんは「文政権の積弊を清算を行う」とハッキリ述べていますので、文大統領の側近としては危なくて調整なしには会わせられないのでしょう。
韓国メディアでは、歴代政権の例では新旧大統領の会談は、大統領選挙後2日、遅くとも9日以内に行われた――と報じています。
すでに10日以上たっていますから、これは今回の新旧権力がいかに折り合わないものであるかの証明といえるでしょう。
(吉田ハンチング@dcp)