いよいよ「残酷な四月」となりました。
2022年04月11日、韓国の関税庁から「2022年04月01~10日の輸出入実績」のデータが出ました。結論からいえば、通関ベースとはいえ危なくなってきました。
以下をご覧ください。
2022年04月01~10日
輸出:153億3,600万ドル(3.0%増加)
輸入:188億5,400万ドル(12.8%増加)
貿易収支(輸出 – 輸入):-35億1,900万ドル※( )内は対前年同期比の増減
04月10日時点で既に「35億1,900万ドル」(約4,380億円)の赤字です。
これは輸出が対前年同期比で3.0%しか増加していないのに輸入が12.8%も増加したため。この輸入の増加は何度もご紹介しているとおり、主にエネルギー資源価格が高騰しているためです。
今回ご注目いただきたいのは、韓国にとって最重要である「貿易収支」の金額です。
まだ10日しかたっていないのにもう「-35億1,900万ドル」にも達しいる点です。通関ベースのこの金額が-50億ドルに達して締まったら、恐らく国際収支統計でも貿易収支は赤転するでしょう。
すると、04月の経常収支はほぼ確実に赤転します。
経常収支は、
・サービス収支
・第1次所得収支
・第2次所得収支
の4つの合計ですが、韓国の場合、04月の第1次所得収支はほとんどの場合赤字になるからです。海外への配当払いが04月に集中するからで、これが「残酷な四月」と呼ばれる所以(ゆえん)です。
つまり、もし通関ベースの貿易収支が04月に「-50億ドル」に達した場合には、
・サービス収支:薄い赤字~薄い黒字
・第1次所得収支:大きな赤字
・第2次所得収支:薄い赤字
となって経常収支は赤字に転落する――と推測できるのです。
関税庁は、来る04月21日に「04月01~20日の輸出入実績」を公表します。その時、貿易収支がどのような結果になっているのかにご注目ください。
そして05月アタマに産業通商資源部が公表する「通関ベースの04月〆データ」にも。
10日時点ですが、危なくなっています。
(吉田ハンチング@dcp)