韓国政府は「外国からの借金」を急増させています。
2022年02月23日、『韓国銀行』が、2021年第4四半期時点での「International Investment Position」(対外資産負債残高:略称「IIP」)を公表しました。
これで2021年が暫定で締まりました。
毎月10日前後にご紹介している国際収支統計はフローですが、IIPはストックの統計です。至極下世話にいえば、フローはその時の「いってこい」の記録、ストックは「で、なんぼあんねん」の記録です。
例えば、国際収支統計で2021年12月に「証券投資で対外負債が62億4,540万ドル増えました」と分かっても、その結果「証券投資による対外負債がいくらに積み上がったのか」は分かりません。
国際収支統計は、あくまでも12月中でのいってこいの記録でしかなく、「で、なんぼあんねん」を示すものではないからです。この「なんぼあんねん」を明らかにするものが「IIP」(四半期毎に公表)なのです。
今回公表された「IIP」には興味深い点がありますが、まず「韓国政府」(general government)の対外負債の増加具合です。以下をご覧ください。
韓国政府の対外債務
2018年: 845億ドル(約9兆7,209億円)
2019年: 928億ドル(約10兆6,757億円)
2020年:1,215億ドル(約13兆9,774億円)
2021年:1,444億ドル(約16兆6,118億円)⇒参照・引用元:『韓国銀行』公式サイト「対外資産負債残高(2021)」
2021年の韓国政府の対外債務は前年から「229億ドル」(約2兆6,344億円)も増加しました。
文在寅大統領が就任した2017年からの推移を見ると以下のようになります。
2020年と2021年の急激な傾きにご注目ください。韓国政府はコロナ禍の中、対外債務を急激に増やしたのです。
いや、そもそも2017年末には800億ドルしかなかったのに、2021年末時点で1,444億ドルと1.8倍に増えました。
外国からの借金が4年で1.8倍です。
例えば、李在明(イ・ジェミョン)次期大統領候補は、「政府の負債が増えてもそれが韓国の国民からのものなら心配するには当たらない」などとを述べていますが、このデータを見る限り果たしてそのようなことを言っていられる状況でしょうか。
政府がデフォルトに陥るのは対外債務を償還できなかった、あるいはロールオーバーできなかったときです。軽快に対外債務を積み上げていますが、大丈夫なのでしょうか。
(吉田ハンチング@dcp)