2022年05月10日に行われる韓国の新大統領就任式。
韓国メディアでは、「日本の岸田文雄首相が訪韓するかも」などと期待が報じられていましたが、脇の甘い岸田首相もさすがに考えたようで、林外務大臣を総理特使として派遣することに決めました。
↑YouTube『ANNnews』チャンネル「韓国新大統領の就任式 林外務大臣を総理特使として出席へ(2022年5月6日)」
林外相は「日韓関係を健全な関係に戻すべく、日本の一貫した立場に基づいて尹次期大統領をはじめ新政権と緊密に意思疎通をしていく考えであります」と述べました。
ちなみに日本からは、他に鳩山由紀夫元首相が出席する予定とされています。
アメリカ合衆国は、Kamala Harris(カマラ・ハリス)副大統領の夫であるDoug Emhoff(ダグラス・エムホフ)さんが率いる代表団を送ることが分かっています。正直なところ微妙な人選ですが、その後、バイデン大統領が訪韓しますので、まあ露払いということでしょう。
日米に比べて、中国は大物を大統領就任式に送ります。なんと王岐山さんが訪韓するのです。
2022年05月06日、中国外交部・趙立堅報道官がブリーフィングで以下のように述べています。中国外交部のプレスリリースから引用します。
『聯合ニュース』記者
「先ほど、王岐山副主席が韓国の新大統領就任式に招待されたことを紹介したが、中国の考えはどうなのか」趙立堅:
「王岐山副主席は習近平主席の特別代表として、韓国政府の招待を受け、尹錫悦(ユン・ソギョル)大統領の就任式に出席します。今回の訪問の具体的な段取りは、双方で協議中です。中国と韓国は永遠に近しい隣国であり、重要なパートナーです。
私たちは、友好的な隣人である韓国の繁栄を祈ると共に、中韓の友情と協力がより高いレベルへと前進し続けることを期待しています。 私たちは、双方の努力によって、中韓関係が時代と歩調を合わせ、前進していくことを確信しています」
これまで韓国の大統領の就任式には副首相クラスを送ってきた中国にしては、王岐山副主席は大物過ぎです。王岐山さんは「火消し」と呼ばれた人物。チャイナセブンと呼ばれる7人に次ぐ中国共産党の実力者として知られています。
チャイナセブン
習近平:総書記
李克強:国務院総理
栗戦書:全国人民代表大会常務委員長
汪洋:中国人民政治協商会議主席
王滬寧:中国共産党中央書記処常務書記
趙楽際:中国共産党中央規律検査委員会書記
韓正:国務院常務副総理
これほどの格上の人物を派遣する理由は明らかです。親米に舵を切る尹錫悦(ユン・ソギョル)新大統領に釘を刺しに来るのです。それ以外には考えられません。
韓国に起こった小さな火を、「大事に至らぬうちに消してしまおう」というのですから、王岐山副主席以上に最適な人はいないでしょう。
火消し・王岐山副主席が尹錫悦(ユン・ソギョル)新大統領とどのような対話を交わすのかにご注目ください。
(吉田ハンチング@dcp)