2022年10月19~20日、「米韓財界会議」が開催されました。コロナ禍で開催ができなかったのですが、3年ぶりに対面式で行われました。
アメリカ合衆国の財界人が韓国ソウルを訪問。今回の開催で、同会は34回目となります。
↑第34次「米韓財界会の総会」記念写真。写真中央の黄色のネクタイを締めているのは、朴振(パク・ジン)外交部長官。その左隣が『全国経済人連合会』の許昌秀(ホ・チャンス)会長。写真は『全国経済人連合会』が公表したもの。
さっそく『全国経済人連合会』からプレスリリースが出たのですが、例のやつが入っています。
以下に『全国経済人連合会』のプレスリリースから引用します。面倒くさい方は、強調文字のところだけご覧ください。
(前略)
1. 米韓経済関係を強化し、ポストコロナ時代の回復を加速します。今年初め、ロシアのウクライナ侵攻、コロナ-19大流行は、ルールベースの国際秩序の守護、グローバルサプライチェーンと世界経済衝撃対応のための協力の必要性をさらに増大させました。
米韓両国の経済界では、経済の回復と活性化のために両国政府と協力して良い雇用を創出し、良質の商品やサービスを円滑に提供し、持続可能な経済成長のためのデジタル・グリーン転換を両国大衆が求めている。
このような状況下において、私たちは、より強力で弾力的な経済を構築するために、両国の民間経済界が重要な役割を果たす必要があることを知っています。
米韓の間で継続的な貿易と投資のために、開放的で安定的な環境維持が重要であるという認識を共にし、両国経済界は両国政府に次の内容を履行するよう促す。
•米国貿易拡張法232条による輸入制限措置の使用など、米韓自由貿易協定(KORUS)の約定と精神に反する貿易制限措置と韓国政府の医薬品および医療機器規制などの措置の撤廃
•インフレ削減法(IRA、Inflation Reduction Act)が通過したために、韓国の電気自動車税控除が除かれることとなった。米韓FTAとWTOの原則に違反する可能性があることに、引き続き問題を提起するとともに、非差別的な解決の模索
•グローバル規範と矛盾する韓国の重大災害処罰法(SAPA)などの負担の重い行政手続き、硬直した労働規則、重複した規制など、革新と投資を阻害する措置の撤廃
•バイオ医薬品産業などの革新産業への投資のリスクと報酬を適法に認識するビジネス環境の構築
•差別的または貿易制限的な措置の撤廃を含む、デジタル経済の成長と革新を継続する規制環境の構築
•政策の計画、策定、および実施段階で定期的な民間対話チャネルを確保し、経済界からのビジネス関連政策に関する意見を収束するための適切な時間の確保
•米国最優先の韓国外国為替市場の安定性を高めるために、05月の米韓首脳間の共同声明に含まれる「外国為替市場関連協議」の後続措置として、常設の米韓通貨スワップの締結、あるいはこれに次ぐ措置を求める
(後略)
Money1で何度もご紹介しているとおり、『全国経済人連合会』の許昌秀(ホ・チャンス)許昌秀(ホ・チャンス)会長は、スキあらば「通貨スワップ」を要求する人物です。
以下の記事でもご紹介しましたが、やっぱり「通貨スワップ」(しかも常設)を要求してしまいました。予定どおりです。
傑作なのは「韓国外国為替市場の安定性を高めるため」としている点です。合衆国からしたら、なんでお前の国のローカルカレンシーを安定させなきゃなんないんだよ、というところでしょう。
さすが許昌秀(ホ・チャンス)会長、ブレませんでしたが、残念なことに合衆国はドル流動性スワップ(韓国側呼称は「通貨スワップ」)を韓国と締結する気はさらさらないのです。ましてや「常設」なんて、もっと無理です。
(吉田ハンチング@dcp)