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『韓国電力』が30兆赤字懸念で「4,446億」削る。いや、その予算を削ると……

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2022年は30兆ウォンという前代未聞の赤字を出すと予測されている『韓国電力公社』(以下『韓国電力』と表記)。

何度もご紹介しているとおり、一国の電力インフラを支える企業が飛びそうなんて話は、そもそも格好悪いことです。とても先進国とは思えませんが、韓国は実際にそのような状況に陥っています。

さらに悪い話が出ています。

『韓国電力』が出した「中長期財務管理計画」によると、

送・変電設備:2兆5,444億ウォン
配電設備:3兆4,185億ウォン

となっています。ところが、年初に出した計画によれば、

送・変電設備:2兆7,943億ウォン
配電設備:3兆6,218億ウォン

でした。合わせて年初から「4,446億ウォン」削りました。『韓国電力』の財政が破綻しそうなので、仕方なく予算を削ったものと見られます。

しかし、この送電網に関わる予算を削ることは韓国にとって大問題なのです。

前文在寅大統領は(よせばいいのに)脱原発・クリーンエネルギー政策に邁進し、雨後の竹の子のように太陽光発電・風力発電施設を乱造しました。

フタを開けてみると、その1/3が送電網につながっていなかったことが判明したのは、先にMoney1でもご紹介したとおりです。

実は、韓国は電気インフラにおいて、送電・変電・配電設備が足りていない国なのです。これらの設備の構築が遅々として進まないのは、住民からの反対に遭っているからという面もありますが、「早くなんとかしないと」というのが現状なのです。

どんなに穏便にいっても「ケツに火がついている状態」です。足りなさ・進まなさ具合を韓国メディア『ソウル経済』から引くと、以下のような具合です。

(前略)
『韓国電力』によると、江陵安仁火力発電所1・2号機につながる送電網は、当初計画に比べて数年遅れた2026年10月に構築が完了する。

また、新ハヌル(原発:引用者注)と新加平を結ぶ超高圧直流送電線路(HVDC)は2025年06月に、新ハヌルと首都圏をつなぐHVDC設備は2026年06月にそれぞれ構築が完了すると伝えられた。

系統網の不備で既に完工されたギガワット(GW)級の発電設備が長い間稼働できなくなる可能性があるという点で、当該発電設備運営業者の反発も大きくなっている。
(後略)

⇒参照・引用元:『ソウル経済』「借金返済で本業は後回し韓電…『ブラックアウト』の可能性↑」

読んで「ナニやってんだ」と思われるでしょう。全くその感想どおりの現状です。

せっかく発電施設を造っても送電系統に接続されなければ、文字どおりの空回りでなんの役にも立ちません。韓国はただでさえ電力不足な状況となっています。もし送電網、変電・配電設備の増強が進まなければ、ブラックアウトの可能性が高まるのです。

Money1でも昔ご紹介したことがありますが、ブラックアウト発生で頭にきた李明博(イ・ミョンバク)大統領が『韓国電力』に怒鳴り込んだことがあります。

先進国の大統領とは思えない大人気なさですが、こういう点もダイナミックコリアの魅力なのでしょう。

(吉田ハンチング@dcp)

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