韓国メディアに「日本は貿易赤字だ」という記事が出るのは今に始まったことではありません。
日本の場合は、もう貿易に依存した国ではなくなっているのですが、韓国自身がまだ貿易依存国家であるため、「貿易赤字なのできっと日本は大変なことになるぞ」と考えるようです。
ところが現実には、韓国自身が輸出不振 ⇒ 貿易赤字 ⇒ 経常収支大幅減(経常収支赤字の場合も)という事態に陥っているのです。
自分の姿を投影して日本を心配しているご様子です。
2022年の国際収支統計が一応締まったので、結局韓国の輸出がどのように推移したのか確認してみましょう。
国際収支統計の「貿易収支」の輸出金額を、対前年同期比の増減で見てみます。ついでに日本も見てみましょう。
「対前年同期比の増減」の推移ですので、0%より上にあれば、2021年同月より輸出金額が増えたことになります。
韓国は2022年01月こそ「+20.0%」(つまり2021年01月の1.2倍の輸出金額だった)でスタートしたものの、05月を最後に一桁パーセント増に下落。
09月にはマイナス、つまり前年比割れに転落して「-11.2%」も記録。輸出金額は2021年の約9割まで減少したのです。
一方の日本ですが、上掲のとおりずーっとプラス。対前年同期比よりも通年プラスで回りました。最高で「27.8%」も記録。約3割増な輸出月もあった、輸出絶好調な1年でした。
対前年同期比の平均値を比較すると、以下のようになります。
日本:20.0%
韓国は、09月からのマイナス転落が効いて年平均が「7.1%」にしかなりませんでした。日本の場合は驚きの「20.0%」平均で回ったのです。大幅な輸出増です。
もっとも、日本は輸出大幅増でも貿易赤字ですが、韓国と違って日本の場合はそれでも経常収支が黒字になるのです。実際、2022年の経常収支は(まだ暫定値ながら)「+11兆4,432億円」で締まりました。
ちなみに『日本経済新聞』の「2022年に日本は経常収支赤字」予測は見事にはずれました。
(吉田ハンチング@dcp)