香港で、中国共産党を悪者にした絵本を輸入したとしてKurt Leung(カート・レオン)さん(会社員・38歳)が「扇動的出版物輸入」の罪で告訴され、2023年10月06日、裁判所は4カ月の実刑判決となりました。
Leungさんが輸入したのは、「悪いオオカミから村の羊たちを守る」という絵本※でした。
輸入したのは18冊の絵本(4歳児対象)で、
羊の村を守る者
心配する者
掃除する者
建設する者
村の毎日
投票日
の6冊、3組でした。
上掲は2021年07月に香港国家安全警察署が摘発・押収した際の写真。「羊村の12人の勇敢な英雄」という絵本では、2020年08月にボートで香港から出港して、逮捕された香港人12人の事件に基づいている――とされています。
中国共産党の英語版御用新聞『Global Times』がまるで見せしめといわんばかりの記事を出しています。同紙の記事から一部を以下に引用します。
中央政府を象徴するとされる邪悪なオオカミから村を守る羊のような香港市民を描いた扇動的な児童向け絵本を輸入した香港人男性が、金曜日に4カ月の実刑判決を受けた。
この絵本は4歳の子供を対象とし、中央政府を「邪悪で野蛮な侵略者」として描くことで、若い世代に「歪んだ価値観と誤ったメッセージ」を広めたと、ビクター・ソー首席判事は金曜日に西九龍法院で行われた判決で述べた。
ソー判事は、これらの本は未熟な子供たちに中央政府に対する憎悪や軽蔑を広めることを意図していると述べた。
また、「扇動的な思想が若い世代に根付くと、その思想は成長し、影響は世代を超えて広がるかもしれない」と語った。
(後略)
こういうのを「言論弾圧」「“思想・信条の自由”の侵害」といいます。
中国共産党によって香港から自由が急速に失われていますが、香港人の皆さんはいまだ自分たちが生まれ育った「かつての香港」を忘れてはいませんし、取り戻したいと思っているでしょう。
日本の人権派と呼ばれる皆さんは、中国共産党のこのような弾圧に対して声を上げないのでしょうか。
(吉田ハンチング@dcp)