中国の病気「われわれが元々の所有者」。韓国も同じ

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土曜日ですので、読み物的な記事をひとつ。

中国は国際秩序を無視した碌でもないことしかしません。南シナ海ではフィリピンとの闘争が激化していますが、これなど完全な国際法違反です。国際司法の判断にも従っていません。

そのくせ「中国は国際的なルールを守り……」などと厚顔無恥な発言を行います。


↑十段線で囲まれて南シナ海のほとんどが中国領海になっている中国の「標準地図」。

Money1でもご紹介しましたが、中国政府機関が公表した「2023 標準地図」はまさに「僕が思う、こうあってほしい僕の土地」という妄想そのものであって、国際ルールをガン無視した内容です。

なぜこうなるのかというと、中国共産党政府がいまだに「清朝」の頭のママ、中華思想にどっぷり漬かった「近代以前の考え」だからです。中華思想がどのように歪んできたのかを理解することで、中国の行動原理が理解できます。

「中華思想」については、古田博司先生が実に的確に説明していらっしゃるので、長くなりますが以下に引いてみます。

(前略)
さて中華思想は、もともと中国古代の儒教の礼(マナー・コスチューム・セレモニーの身体技法)を核として、それが実践できる人々のプライドという形で発生した。その実践者を儒者といい、その実践領域を「中国」といっていた。

これらは当初儒者の頭の中の虚構であったが、中国に統一王朝が誕生すると、漢代以降には王朝の版図の拡大とともに現実の規範となっていった。

この時代に礼典が整備され、これを守れない周囲の異民族は夷狄いてき(野蛮人)として蔑視の対象となったのである。

しかし、時代が経つに連れて統一王朝の存続は困難となり、中国地域に何度も侵入した異民族が王朝を建てるようになると、「中国」は再び現実味を失っていった。

北方からの異民族に危機感を深めた宋代の知識人たちは、「中国」の正統史(『資治通鑑』)を捏造し、礼典をマニュアル化(『朱文公家礼』)して漢族のプライドをよみがえらせ、自分たちの文化的優越性を「中華」という言葉で表現したのであった。

さて近世になると、中国はアヘン戦争などにより、西洋の近代文明に衝撃を受けた。

その際、知識人たちの間では、西洋の技術と制度に関して、もともと古代より中国地域に内在していたもので、それが西洋に流れただけだと考え、これを再び取り戻すことによって簡単に近代ができるという説が編みだされた。

洋務運動家といわれる人々の「中体西用」論というのは、このようなものであり、このようにして変形された中華思想を内発的発展型中華思想と呼ぶ。

つぎに事例として、李鴻章に認められ、洋務企業に参画した鄭観応(一八四一~?)の言説を挙げておこう。

「中国の学は日々荒んでいったのだが、西洋の学も遂にその奥深いところをうかがい見ることはなかった。

それはおそらく、われわれが元々の所有者であり、西洋人は跡をつけて行ったのだ。(後略)」

西洋人の実用の学などは、元来みな中国にあった。

中国ではそれが廃れてしまっただけであり、取りもどせばよいのだと言っているのである。

すなわち内在するものを再発展させればよいという言説であり、後述するが、この虚構は今日に至るまでも、東アジア地域では繰り返し登場することになる。
(後略)

強調文字、赤アンダーラインは引用者による。
⇒参照・引用元:『韓国学のすべて』編・古田博司 小倉紀藏,新書館,2002年05月10日 初版発行,pp20-21,

われわれが元々の所有者」がまさにキーワードで、南シナ海で行われている紛争もこれによります。清朝で頭が止まっており、それ以降にあったことを無視しているのです。

「いや、近平ちゃん、違うのよ。あなたの言っていることはヘンなの。みんなそう思ってるわよ」と言っても理解できません。

古田先生の指摘は非常に的確で、核心をついています。

この中華思想を受け継いて「小中華思想」(もう命名に明らかな小物感があります)を実践した朝鮮半島、その後裔である韓国もそっくりです。

「世界でもてはやされている日本の◯◯は、もともと韓国のものだった」は、これです。

いまだに韓国では、恥ずかしげもなく、全く根拠のない「われわれが元々の所有者」発言をします。これは小中華思想(それにしても格好悪く小物感漂う命名)をいまだに実践していることの証左です。

科学的な根拠をまるで無視しますので、韓国が近代国家などかどうか怪しいところです。また、国際法を無視しますので、法治国家かどうかも怪しいのです。

(吉田ハンチング@dcp)

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