2024年04月15日、『中央日報』が興味深い記事を出しました。いかに韓国政府の財政が火の車か――という話です。
『韓国銀行』が『共に民主党』議員に提出した資料によれば、韓国政府は2024年第1四半期に『韓国銀行』からの短期融資残高が32兆5,000億ウォンに達しました。
Money1でもご紹介したとおり、とにかく韓国は現状大変に不景気なので、韓国政府は予算執行を上半期に重点的に行う――としました。これはバラマキ宣言で、もちろん04月10日投開票だった「第22代 国会議員総選挙」をにらんでのことです。
簡単にいえば「お金まくので皆さん投票してね!」です。
結果的には失敗しましたが、当然ですがばらまくにしてもお金がいります。税収不足に陥っている韓国政府がどうしたかというと……中央銀行からお金を借りたわけです。
以下が2023年第1四半期から2024年第1四半期までの短借の金額です。
2024年第1四半期の短借の残高「32.5兆ウォン」は14年ぶり過去最大です。
もう何度だっていいますが、中央銀行から短借している(直接融資を受けている)中央政府など先進国とはいえません。財政ファイナンスの基になるから「しない」のです。
イギリスとアメリカ合衆国は、中央銀行による対政府融資の取り扱い規定自体が存在しません。
『ECB』(欧州中央銀行)とEU域内の20カ国の中央銀行は当座貸付およびその他の種類の貸出は原則禁止です。日本も原則禁止。カナダには対政府融資制度がありますが、一度も実行されたことはありません。
一応、政府の乱用を防止するために、「『韓国銀行』の対政府一時引き出し限度および融資条件」には「政府は一時的な不足資金を国庫金管理法に基づいて、韓国銀行から借り入れるのに先立ち、財政証券の発行を通じて調達するよう積極的に努力しなければならない」と明記されています。
また、「政府は『韓国銀行』からの一時的な借り入れが、基調的な不足資金調達手段として活用されないように留意しなければならない」と書かれてもいます。
実際に『韓国銀行』から韓国政府への融資が頻繁に行われているのに、よくまあ「G8」だなどと言えるものです。ことほどさように、韓国政府の財政はとても脆弱なのです。
問題は、総選挙に向けて約束した「バラマキ」の請求書がこれから来る――という点です。
さあ、どこからお金を出しましょう?
(吉田ハンチング@dcp)