中国は国土も広いし、自給自足が可能なんだろう――と思っている方がいらっしゃるかもしれませんが、違います。中国は食物を輸入に頼る国になっています。
人口が多い※1ので、国民を食べさせるのも大変。輸入が滞るなどの事態があれば食糧危機に陥ることがあり得ます。
中国共産党は国民が「飢える ⇒ 共産党に反抗 ⇒ 政権転覆」という革命ルートを恐れており、「中国は十分な穀物生産を行っている」「年間穀物生産量を6億5,000万トンで安定的に継続」と喧伝しています。
「本当なのか?」という疑問があります。
なぜなら、近年は毎年のように洪水などの水害に襲われ(傑作なことにその都度「100年に一度」という惹句がつきます)、穀倉地帯で大きな被害が発生しているはずなのです。
にもかかわらず、統計では安定して6億トン※2を超えています(2023年の全穀物生産量は6億9,541万トン)。
「本当なのか?」と疑念が湧いても当然でしょう。
また、中国当局は「中国各地に穀物貯蔵用の倉庫があって危機に備えている」と主張しています。
しかし、これには面白いうわさがつきまといます。
「その貯蔵倉庫を管轄する役人が穀物の横流しをしており、調査が入ることが分かると、入られる前に火をつける」といううわさです。
役人が商人と結託して、倉庫にある穀物を横流ししてお金にしているので、本当に当局がいう量が貯蔵されているのか分かりません。また「中国らしい」のは、調査に入られることが分かると、横流しを隠蔽するため「火事にする」というのです。
確かに穀物倉庫での火事は多く、中国では信憑性の高いうわさとして流布しています。
しかし、2024年04月22日、「横流しは本当だったんだ」という報道が『CCTV』から出ました。
※1人口は14億人と号していますが、すでに人口減少フェーズに入っており「うそつけ、12億8千万人しかいないハズだ」という識者もいらっしゃいます。
※2中国当局が発表した2024年の目標は「6.5億トン」。
1万トン近い穀物泥棒「今回は放火が間に合わなかった?」
事件が発覚したのは、河北省秦皇島市山海関区にある穀物倉庫で、2020年から2022年にかけて「1万トン近いトウモロコシ」が消失した――いう通報を受けた警察が出動。調査を行って事件が明るみに出ました。
穀物商人が倉庫の常駐職員と共謀して、運搬用のトラックを乗り入れさせて貯蔵されていた穀物を運び出していました。報道によれば、「お金が足りなくなったら、穀物を持ち出しては売る」ようになり、2,500万元以上の利益を得たとのこと。
倉庫職員は5万元の手当を受け取り、他の3人は月数千元から1万元の「給料」をもらっていた、としています。
https://twitter.com/i/status/1783207744306360373
河北粮库被查出,近万吨粮食不翼而飞。
看来这次的粮库没有来得及着火河北省の穀物倉庫が発見され、1万トン近い穀物が消えた。
今回は倉庫に着火する時間がなかったようだ。
上掲は本件を伝える『X』の投稿ですが、傑作なのは「今回は倉庫に着火する時間がなかったようだ」の部分です。このように「穀物倉庫からは横流しが行われており、ヤバくなると火をつける」――という話はよく知られるものとなっているのです。
「あんたたちは山賊か何かなのか」といいたくなりますが、これが「中国の民度」の現実です。
(吉田ハンチング@dcp)