2024年06月17日、中国の国家統計局が「2024年05月の国民経済動向」を公表しました。「中国経済は回復基調である」と強弁しているのですが、不動産市況はどうなっているかというと、泥沼です。
国家統計局のプレスリリースから以下に引きます。中国のプレスリリースでは、やたらに「、」でつなげる白髪三千丈式の長ったらしい文が登場します。そのような文はたいてい宣伝で、読んでもほぼ時間の無駄です。
数字の部分にご注目ください。
(前略)
05月中旬以降、関連部門と地域は不動産政策をさらに調整し、最適化するため、不動産市場には幾つかのポジティブな変化が見られた。先ほど発表されたデータでは、01~05月の商業用不動産の新規販売、住宅新築面積の前年同月比減少幅が縮小している。
01~05月
不動産開発投資額:前年同期比10.1%減
住宅新築面積:前年同期比24.2%減
新築商業用住宅販売面積:前年同期比20.3%減
販売額:前年同期比27.9%減となった。
中国共産党中央委員会と国務院は不動産業務を非常に重視しており、中央委員会政治局会議では、不動産発展の新モデルの建設を把握し、不動産の質の高い発展を推進することが提案された。
国務院常務会議では、導入された政策や措置の実施を促進するために努力する必要があると指摘し、その結果を見て、引き続き検討し、在庫に行くために、新しい政策や措置を予約し、市場を安定させるために、これらの政策やイニシアティブの実施は、次の段階では、不動産市場の安定的かつ健全な発展を推進していく。
「不動産市場には幾つかのポジティブな変化が見られた」と述べているのですが、何が好転したのかというと、「対前年比での縮小幅が小さくなった」点だというのです。
しかし、上掲のとおり、住宅新築面積は「-24.2%」、新築商業用住宅販売額:「-27.9%」ですから、泥沼具合は変わってはいません。
そもそも、2022年から2023年に対前年比で縮小し、2024年もさらに縮小しているわけです。中国の不動産市場はずるすると縮小を継続していると見るしかありません。
(吉田ハンチング@dcp)