【半導体戦争】韓国スクランブル! できることは「米国に相談する」だけ。

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先にご紹介したとおり、2025年08月29日、アメリカ合衆国の商務省産業安全保障局(BIS)はバイデン政権時に設定された「(合衆国由来の)半導体製造装置輸出制限についての特例措置」を撤回する――としました。

韓国の『サムスン電子』『SKハイニックス』は、この撤回措置によって、中国本土に対する製造装置搬入ができなくなります。新たに許可を申請し、認可されなければならないからです。

猶予は120日。

08月29日に出たBISの説明文書によれば、基本的には申請を認可する――としていますが、実際にどうなるのかは不透明です。

土日だというのに産業通商資源部にはスクランブルがかかりました。合衆国に「真意」を確認しなければなりません。

2025年09月01日、産業通商資源部は以下のプレスリリースを出しました。

米商務部、サムスン・SKH VEU地位撤回を発表

合衆国は『サムスン電子』・『SKハイニックス』に付与されたVEU(検証された最終使用者)地位を撤回した。

撤回まで120日の猶予期間を付与、今後は合衆国当局と緊密協議し企業負担を最小化

合衆国商務部産業安保局(BIS)は現地時間08月29日(金)、『サムスン電子』中国法人および『SKハイニックス』中国法人に対するVEU(Validated End User:」検証された最終使用者)地位を撤回する輸出統制措置を発表した。

合衆国商務部がVEU地位を承認した外国事業所は、合衆国から半導体装置など特定品目を個別許可なしで搬入可能(許可が免除される品目の種類は企業ごとに異なる)。

VEU地位撤回の対象企業には120日間の猶予期間が付与される。

原則としてVEU地位が撤回される場合、わが企業が中国事業所へ米国産先端半導体装置を搬入するには、件別に合衆国商務部の輸出許可を受けなければならない。

政府はこれまで、合衆国商務部とVEU制度の調整可能性について緊密に意思疎通してきており、わが半導体企業の円滑な中国事業所運営がグローバル半導体供給網の安定にとって重要であることを合衆国政府に強調してきた。

政府は、VEU地位が撤回されたとしても、わが企業に対する影響が最小化されるよう、合衆国政府と引き続き緊密に協議していく計画である。

⇒参照・引用元:『韓国 産業通商資源部』公式サイト「미(美) 상무부, 삼성·SKH VEU 지위 철회 발표」

インテルは大連に保有していたNANDフラッシュのファンドリーを『SKハイニックス』に購入してもらって中国本土から足抜けしましたので、この措置は明らかに、『サムスン電子』と『SKハイニックス』をターゲットにしたものです。

2025年8月22日に合衆国政府はインテルの株式9.9%(約10%と報道されることが多い)を取得して筆頭株主になりました。バイデン政権下で承認されましたが未払いだったCHIPS法による助成金(約57億ドル)およびSecure Enclaveプログラムの助成金(約32億ドル)を合計した約89億ドルを用いて株式を取得。ただし、この株式取得はパッシブオーナーシップ(受動的保有)で、取締役会への座席や経営への実質的な発言権は伴いません(契約上)。

また追加でインテルがファウンドリー事業の所有比率を51%以下にした場合にのみ行使できる、最大5%分のワラント(warrant:購入権)が付与される契約です。

ワラントというのは、新株引受権(オプション)の一種で、一定の条件を満たしたときに、あらかじめ定められた価格で株式を購入できる権利のことです。

何を意図した契約かというと、「経営支配の変化リスクに備える保険」 です。

インテルは自社のファウンドリー事業(Intel Foundry Services:IFS)を子会社化・分離する構想を持っています。

「所有比率51%」というのは、インテルがその事業に対して経営支配権(過半数)を保つかどうかの境目です。

もしインテルがファウンドリー部門を外部資本(例えば他社・投資家)に売却して持ち分を51%以下に落とした場合、政府は 最大5%分のインテル株を追加で取得できる権利 を行使可能になります。これによって、ファウンドリー事業を手放すのを阻止しようというわけです。

インテルがファウンドリー事業の所有比率を51%以下にした場合にのみ行使できる、最大5%分のワラント(購入権)が付与される契約

産業通商資源部は「合衆国政府と引き続き緊密に協議していく計画である」と書いていますが、それしかできません。

合衆国側がどこまで折れてくれるか、が焦点です。

(吉田ハンチング@dcp)

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