韓国政府の「緊急調整権」とは何か? ⇒ 発動するとこうなる。

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韓国『サムスン電子』の労働組合が総ストライキを実施すると経営側を脅し、もし『サムスン電子』の工場が止まるようなことがあれば国家的な損害が出ると予測され、さすがに韓国政府もビビっています。

先にご紹介したとおり、強欲な労働組合の脅迫に韓国民もほとんどが反対しています。

全面ストライキを停止させるために、韓国政府は「緊急調整権の発動」という手があります。

緊急調整権って何?

「緊急調整権」とは、労組のストライキなどの争議行為が、国民経済や国民生活に重大な危険を及ぼす恐れがある場合に、雇用労働部長官が発動できる非常措置です。

これが発動されると、

・労使当事者は直ちに争議行為を中止しなけれればならない
・公表日から30日が経過するまで争議行為を再開できない
・この30日間に中央労働委員会が調整を開始する

「중앙노동위원회(中央労働委員会:中労委)」は、韓国政府の行政機関ですが、省庁の一部署ではなく、労使紛争を調整・仲裁するための準司法的(quasi-judicial)機関です。最近韓国メディアの記事に頻出する「中央労働委員会の事後調整」というのは、労使を呼び出し・妥協案を提示し・合意を試みるという手続のことを指します。


「緊急調整権」の根拠は韓国の「労働組合および労働関係調整法」第76条以下です。

同法では、争議行為が公益事業に関するもの、または規模が大きかったり性質が特別だったりして、国民経済を著しく害する恐れがある場合、雇用労働部長官が中央労働委員会委員長の意見を聞いたうえで緊急調整を決定できるとされています。

決定後は理由を付して公表し、中央労働委員会と当事者に通告します。

調整で合意できない場合、中央労働委員会委員長は公益委員の意見を聞き、その事件を仲裁に回すかどうかを決めます。仲裁に回されれば、中央労働委員会が仲裁を行い、その仲裁裁定は労使が従うべきものになります。

つまり簡単にいえば、

国家経済・国民生活への被害が大きいストを、政府が一時停止させ、中央労働委員会の調整・仲裁に移す制度」

です。

韓国メディアの報道を読むと、全面ストライキが現実化した場合に政府がこの制度を使えば、労組は即時にストを中止し、30日間は再開できなくなる――などと書かれているのはそのためです。

問題は実際に全面ストライキに突入して、政府が緊急調整権を発動して――それでも「労働組合が争議をやめなかった」らどうなるか?――です。

そうなると警察権力による強制排除が見えてきます。韓国では過去国家権力による警察投入・強制排除は数多く、挙げれば『大宇造船』『双竜自動車』『韓進重工業』『現代自動車』『貨物連帯』『民主労総本部占拠』など、キリがありません。

中でも有名なのは、Money1でも随分前にご紹介したことがある、2009年の『双龍自動車』平沢工場事件です。火炎瓶の投擲などもちろんのこと、巨大なスリングショットでヘリを狙撃するまで行った、超過激な労働争議でした。


↑巨大なスリングショット(ボルト・ナット発射用)でヘリを狙う労組の皆さん。최고는 쌍용입니다!(双龍が最高だ!)と書いてあります。

2009年の出来事ですから、驚くなかれまだ20年たっていないつい最近の出来事です。韓国にはこのような超過激な労働活動の末裔がいまも生きているのです。

(吉田ハンチング@dcp)

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