FEDが締結するスワップラインには二種類あります
アメリカ合衆国のFED(Federal Reserve Systemの略称:連邦準備制度)は、互いの通貨の流動性を高めるために各国の中央銀行とスワップラインを締結しています。
FRB(Federal Reserve Boardの略:連邦準備制度理事会)の説明によればスワップラインは、「ドル流動性スワップ」※1と「外貨流動性スワップ」の二種類あります。「外貨」というのは「合衆国にとっての外貨」、つまりスワップラインを締結する外国の通貨という意味です。
ドル流動性スワップは「ドル」の流動性を高めるため、外貨流動性スワップは「外貨(相手国の通貨)」の流動性を高めるために締結、利用されます。
2020年03月19日、韓国がFEDと締結したのはドル流動性スワップで、これによってFEDから上限600億ドルまで「ドル」の供給を受けられるようになりました。供給といってもくれるわけではありません。利子を付けて返さなければならない融資で、つまりは借金です。
FEDの06月05日公表データ
韓国はこれまで04月02日~05月08日(決済日です)までに総額「198億7,200万ドル」を調達しました(くどいですが借金です)。
このドル流動性スワップの利用状況は、その時点での未返済額とともに毎週末FRBから公表されています。そのため滞納したりすると世界的にそれが分かってしまいます。
2020年06月05日もFEDから最新データが公表されましたのでご紹介します。まず「U.S. Dollar Liquidity Swap – Operation Results」(ドル流動性スワップ-運用結果)です。
『韓国銀行』が05月08日(決済日)以降、ドル流動性スワップを利用していませんのでステータスの変更はありません。
次に「U.S. Dollar Liquidity Swap-Amounts Outstanding」(ドル流動性スワップ-未払い金額)です。
「07日満期」など、返済期日が早いものは全て返却が終わっていますので、未返済金額「187億8,700万ドル」は先週から変更ありません。
――というわけで今週も変わりはありませんでしたが、定点観測ですので淡々と行っております。そうこうしている間に大物「79億2,000万ドル」の返済が刻一刻と近付いているわけですが。
※1韓国メディアは「通貨スワップ」、時に「通貨スワップ協定」と呼称しますが、紛らわしいのでMoney1ではFRB(Federal Reserve Boardの略:連邦準備制度理事会)に従って「スワップライン」「ドル流動性スワップ」と記載します。本稿のタイトルだけはアンカーが韓国の表記に合せて「通貨スワップ」としています。
(柏ケミカル@dcp)