2020年06月05日(金)が締まりました。06月06日06:00現在、ドルウォンチャートは以下のようになっています(チャートは『Investing.com』より引用:以下同)。
エライことになりました。一気に約14ウォンもウォン高が進行しました。
ローソク足1本が1分間の値動きを示す「1分足」で見ると以下のようになります。
プライスアクションもなにもドル売り・ウォン買いが終始強く、ついに「1ドル=1,200ウォン」台まで押し戻しました。防衛線と呼んできた懐かしい数字です。
今回のウォン高進行は韓国の通貨当局がどうとかいう問題ではなく、(結果としてDXYが弱くなるので本当は因果関係が逆ですが)ドル指数「DXY」(ドルの強弱を示すINDEXです)が示すとおりドルの力が弱くなっているので、ウォンにまでお金が回るようになった結果でしょう。以下のDXYのチャートをご覧ください(チャートは『TradingView』より引用)。
現在のところ、DXYが下落傾向にあることが分かります。およそ「100.5」という非常に高い数値を上端にしたレンジを下にブレイクして、実は03月の中旬水準まで戻っているのです。トレンドとしてはリスクオンで新興国通貨にもお金が回るようになっており、そのため「ウォン買い」が進行したと推測できます。
ちなみに赤丸で囲まれたDXYが最高値をつけてドルの力が最強に高まったとき、何が起こったでしょうか。
アメリカ合衆国のFED(Federal Reserve Systemの略称:連邦準備制度)と『韓国銀行』の間でドル流動性スワップ※1の締結が行われたのです。まさに03月19日でした。
日本円すら安くなるほどのドル高で、このままドルだけが強まるとドルの流動性が枯渇すると危機感を覚えたFRB(Federal Reserve Boardの略:連邦準備制度理事会)は、ドル流動性スワップを9カ国、つまり新興国のローカルカレンシーにまで拡大してドルを流さないとダメだ、と判断したのです。
上掲のドルウォンの日足チャートを下に再度出してみます。
DXYのチャートとプライスアクションがそっくりですね(いや似てないとおかしいのですが)。さらにDXYのチャートをバーチャートにして重ねてみると以下のようになります。
このように相似形になっています。
問題はここから先ですが、とりあえず「1ドル=1,200ウォン」台にまで戻ってきました。翌週からの展開が楽しみです。
また随時記事を制作し状況をご紹介するようにいたします。
※1韓国メディアは「通貨スワップ」、時に「通貨スワップ協定」と呼称しますが、紛らわしいのでMoney1ではFRB(Federal Reserve Boardの略:連邦準備制度理事会)に従って「スワップライン」「ドル流動性スワップ」と記載します。
追記
2020年06月08日(月)の市場が開きました。10:14現在のドルウォンチャートの状況を以下の記事にまとめましたので本記事と併せてお読み頂ければ幸いです。
(柏ケミカル@dcp)