韓国の航空会社はどこもお金がなく「飛ぶ寸前」なため、政府からの支援がどうしても必要です。
最大手の『大韓航空』はあの「基幹産業安定基金」(←まだ40兆ウォン集めていない)管轄にシフトしましたので、イチ抜け状態です。
この先ナニがあっても政府はお金を突っ込み続けることになるでしょう。ですので、まあ大丈夫です(ナニが大丈夫なんだ)。
ここにきて業界2位の『アシアナ航空』が注目されています。
同社はただ飛びそうなだけではなくて、ちょっと特殊な状況に置かれています。
ここまでは、
①そもそも2019年時点ですでに経営が傾いていた
②韓国財閥系企業『HDC現代産業開発』が買収に名乗り上げていた
③2019年末に買収について合意も成立していた
という経緯でした。
「買収をやめようかなぁ」と手のひらを返す
ところが! 新型コロナウイルス騒動が起こって航空会社の経営はさらに傾き、『HDC現代産業開発』が「買収はやめるかも」と手のひらを返しました。
『アシアナ航空』の債権団は「合意どおりに進めろよ」と『HDC現代産業開発』に圧力を掛けているのですが、同社は「違約金の2,500億ウォンを払ってやめてもいいんだぜ」という態度を取っているのです。
債権団は『産業銀行』『輸出入銀行』の国策銀行ですから、早く『HDC現代産業開発』に買収してもらってこれ以上お金を突っ込むのを止めたいのです。
『HDC現代産業開発』がごねている理由は、買収を再交渉して有利な条件を引き出そうとしているからといわれています。
簡単にいえば「足元を見ている」わけです。
「買収契約」の時より負債が増えているじゃないか!
しかし、『HDC現代産業開発』の言い分にも理がないわけではありません。
買収契約の締結時と比べて、『アシアナ航空』の負債は2兆8,000億ウォンも増加しました(2019年末時点)。04月には新たな借入を1兆7,000億ウォン行っています。これは債権団からの支援です。
つまり、契約時と比べて4兆5,000億ウォンも負債が増えた状態なのです。
で、『HDC現代産業開発』は「こんなに大きな負債を引き受ける話じゃなかった。これは再交渉させてもらわないと……」となっているというわけです。
債権団と『HDC現代産業開発』は、現在丁々発止の交渉を繰り広げていますが、『HDC現代産業開発』が手をひけば、債権団、つまりは国策銀行がなんとかしなければいけなくなります。構造調整の名の下におおなたが振るわれるかもしれません。
⇒参照・引用元:『毎日経済』「契約当時よりアシアナ負債4.5兆増えた」(原文・韓国語/筆者(バカ)意訳)
https://www.mk.co.kr/news/business/view/2020/06/591567/
(柏ケミカル@dcp)