先にドル不足になった、韓国の国策銀行『輸出入銀行』が私募債を発行して『サムスン電子』(など)からドルを調達したという件をご紹介しました。
上掲のような仕組みでドルを調達し事なきを得たという話だったのですが、韓国メディア『毎日経済』の2020年06月18日の記事では、『サムスン電子』から調達したのは「数億ドル」となっていました。
2020年07月17日、日本のメディア『デイリー新潮』から本件に触れた記事が出ました。『デイリー新潮』の記事では『輸出入銀行』が調達したドルの総量について触れられています。以下に同記事の一部を引用します。
輸出入銀行は1月から3月に45億6600万ドル、4月に29億7700万ドルの外貨を調達したが、3月と4月に69億3400万ドルの外貨支出が集中。
ドルを多く保有する機関投資家に打診したものの、コロナ禍で市場が硬直しており、輸出入銀行は確実な大口投資先を求めて、サムスン電子などグローバル企業に相談し、外貨社債を発行した形だ。
※強調文字は筆者による
実際に『輸出入銀行』が2020年01-06月でどのくらいドルを調達したのかを月次で見ると以下のようになります。
01-06月のドル調達量の総額は「89.9億ドル」(約9,567億円)※1にもなります。
これを見ると、『サムスン電子』から調達したのは本当に「数億ドル」で済んだのかと疑念が湧かないでしょうか。そもそも「輸出入」銀行にドルがなくてどうするんだ、という話ではありますが。
※1ドル円の換算は2020年07月20日の「1ドル=107.39円」を用いました
(吉田ハンチング@dcp)