小ネタかもしれませんが、韓国のクリーンエネルギー政策の一端を知ることができる話ですのでご紹介します。
⇒参照・引用元:『韓国 大統領府』公式サイト「대통령 지시사항 관련 박경미 대변인 서면브리핑 2021-07-27」
2021年07月27日、韓国の青瓦台・大統領府から大統領の指示についてのプレスリリースが出ました。上掲が原本ですが、何が書いてあるかというと……。
文大統領は本日の午前の参謀会議で「太陽光エネルギーなどの再生可能エネルギーの割合を算定する際に、家庭用太陽光発電、小規模太陽光発電所など幾つかの太陽光発電設備で生産した電力が計量されず、実際の数字を正確に反映していない」と指摘した。
「現在の電力取引所でリアルタイムに計量されていない電力量を把握することは電力需給の管理だけでなく、NDC(国の温室効果ガス削減目標)を立てる際にも必ず必要である。そのため推定方法を用意してほしい」と指示しました。
※引用元は同上
「2050年までにカーボンニュートラルを実現する」と文大統領が宣言し、韓国は脱炭素に取り組んでいます。
しかし、電力不足に対応するため、脱原発を棚上げして躍起になって原発を再稼働しているので、太陽光・風力など再生可能エネルギーの非力さが際立つ現状です(韓国は原発をクリーンエネルギーの範疇に入れておりません)。
発電量の中の「再生可能エネルギーによる発電量」の割合が減る現状ですので、それを上げたいわけです。
そのため、幾つかの太陽光発電施設で発電した電力量も加算するようにと指示を出したものと思われます。「ちゃんと数えてくれ」というわけです。
大統領閣下の施策の問題です
大統領閣下、お言葉ではありますが、現在カウントされていない発電施設は送電網に接続されていないのではないでしょうか(詳細は以下の記事をご参照ください)。
これは、発電施設ばかり造って、変電所・送電網などロジスティクス・インフラの拡充を行わなかった閣下の施策のせいです。
太陽光パネルを設置、風力発電機を設置したら終わりではないのです。どうやって消費者まで安定的に電気を届けることができるかを考え、実行しなければなりません。
実際の電力供給網に寄与していない発電量を入れるのは数字のごまかしにならないのでしょうか。
(吉田ハンチング@dcp)