南朝鮮・韓国が北朝鮮の動向に気を配るのは当然のことかもしれませが、『韓国銀行』が北朝鮮の経済状況についてのリポートを定期的に公表していることをご存じでしょうか。
以下は07月30日に公表された「北朝鮮の経済成長率」についてのリポートです。
2020年の北朝鮮の実質国内総生産(GDP)は前年に比べて4.5%減少。
北朝鮮(赤のライン)と南朝鮮(青のライン)の経済成長率を比較したグラフ⇒参照・引用元:『韓国銀行』公式サイト「2020年の北朝鮮の経済成長率推定結果」
『韓国銀行』は1991年以降、関連機関からの情報提供を基に北朝鮮の経済力を評価し続けてきました。この『韓国銀行』のリポートは国連などにも提供されています。
上掲のグラフのとおり、北朝鮮の経済成長率は低迷を続けていますが、コロナ禍で国境を封鎖した昨年は大幅な落ち込みとなりました。しかも、風水害に見舞われて食料生産が減少し、北朝鮮は大変な食料難に襲われています。
金正日総書記の時代に「苦難の行軍」とし大量の餓死者を出したことがありましたが、現在の金正恩総書記も父親にならって「苦難の行軍」を宣言。
国民からの不満を和らげるため、軍の備蓄食料を放出する命令を出したのですが、軍も食べられなくなっているため、先に備蓄食料に手を付けていたことが発覚。そのため軍幹部を更迭という変事が起こっています。
また、この後、当局が住民に特別に食料を「販売」したのですが、それが特に安くもなかったとのことで、さらなる反発を招いているとのこと。
問題は「苦難の行軍」という名の我慢を国民に強いることで体制を維持できるかという点です。
文大統領が何をするのかに注目です
2021年07月27日、南北間の通信連絡線が復旧しました。
これまで韓国の文在寅政権を罵倒してきた北朝鮮の態度が軟化したわけですが、背景には国民が餓死するほど困っており、面子を保ったまま援助をしてもらいたいという意図があるものと思われます。
読者の皆さんもご存じのとおり、文在寅大統領は親北の人です。政権末期ですし、「ここで大きな成果を挙げたい」と考えていても不思議ではありません。
アメリカ合衆国・日本は(そして恐らく中国も)、文大統領が最後に無茶なことをしないかどうか注視していないといけないでしょう。
(吉田ハンチング@dcp)