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ロシアが「対外債務をルーブルで支払ってOK」という無茶な法律を制定

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ロシアが「デフォルト」認定を避けるために荒技を繰り出しました。

『Bloomberg』など外信によれば、2022年03月05日、プーチン大統領が「外国の債権者に対する支払いをルーブルで行うことを許可する」という法令にサインしたとのこと。

また、同じく外信によると「支払いが中央銀行の公式レートでルーブルで実行された場合、債務返済が実行されたと見なす」としています。

「おいおい」という話です。

プーチン大統領が許可しても、「外国の債権者が債務返済が実行されたと見なさないかもしれない」という点を全く無視した一方的かつ強引な法令です。

通貨安が危険なほどに進行しているルーブルを受け取って納得する債権者がいるとは考えられません。

先の記事でも少し書きましたが、これにはCDS(Credit Default Swap:クレジット・デフォルト・スワップ)の問題が絡んでいます。

何度もご紹介しているとおり、CDSというのは保険のようなものです。

簡単にいえば、その債券がデフォルトした際には「元本・利息を受け取る権利」を保証しますよ(これがプロテクション)、その代わりにこれだけ支払ってください、というものです。保険の商売と同じで、事故さえ発生しなければ、保険屋は買い手が支払う保険料は丸儲けです。

ロシア(政府および企業)発行の債券にも当然CDSの商売があって、デフォルトが発生した場合、CDSプロテクションの売り手は買い手に巨額の支払いを行わなければなりません。

保険の商売と同じで、みんながみんな事故を起こすと保険会社は支払いが巨額になってドボンです。CDSも同じで、みんなでデフォルトを起こされると、保証するといった金額を負担しきれず、プロテクションの売り手が飛びます。

2008年のリーマンショックで起こったのはまさにこれで、CDSプロテクションを売りまくった金融機関はデフォルトの嵐の中、天文学的な支払いに直面したのです。

現在では、債券がデフォルトするだけでは済まない世界になっています。CDSだけではありません。リスク分散の名の下に、債権が細切れにされて別の金融商品に組み込まれており、いったんデフォルトが発生するとあちこちで火が噴くのです。

今回、問題なのは、ルーブルで支払われた場合、それをデフォルトと認定できるのかという点です。

明確に「ルーブルでの支払いでもOK」と条項が入っていればいいのですが、例えば03月16日に利払い期日がくる1億1,700万ドル相当のドル建てロシア国債については、「ルーブルで支払ってもいい」などというオプションはありません(利払い金額は4,410万ドル/『Bloomberg』の記事による)。

もし「ルーブルで支払う」になった場合、これは支払いがなかった、すなわち債務不履行(デフォルト)と認定されるのでしょうか。

とりあえず事態を見守るしかないのですが、ルーブルで支払われ、ロシアが「支払いましたよ」と「独り合点」しても、投資家からは「ふざけんな」という声が上がるでしょう。

(吉田ハンチング@dcp)

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