EVも燃える街角。もちろんロシアでも。
不法にウクライナに侵攻したロシアは、一気に自由主義陣営国のサプライチェーンから締め出されました。貿易でウハウハになったのは中国です。
こういうのを「寂しん坊同士の連帯」といいます。
自由主義陣営国企業の自動車を入手できなくなったため、ロシアには、これまで聞いたこともないような中国企業の自動車が入り込み、ロシアの皆さんも仕方がないので、中国産を購入するようになっています。
中国の電気自動車がロシアで燃えています。絶好調などの意味ではなく、物理的に燃えているのです。
2023年12月07日付けのロシア通信社『REGNUM』は「車輪の上の“花火” 中国の自動車火災がさらに増えると予想すべきだろうか?」という記事を出しています。
記事から一部を以下に引いてみるとこんな具合です。
(前略)
モスクワでタクシーのロゴが入った中国JACブランドの車が爆発した。事件は12月05日夜、ヴォルゴグラツキー通りの信号機の前で発生。112通報によると、運転手は重度の火傷を負ったとのこと。
中国車による事故が頻発している。
最近では、09月にモスクワのショッピングセンター近くに駐車していた吉利汽車のtugella(トゥゲラ)SUVのエンジンが突然爆発した。
その数日後には、チェリャビンスク地方で別の中国製SUVがわずか数分で爆発炎上した。
↑出火し、消防隊が消火活動を始めたら爆発した中国産のZotye E200電気自動車(2023年03月)。その少し前の03月には、ベラルーシ(首都ミンスク)で電気自動車Zotye-e 200が爆発した。
しかし、ここ数年で最も大きな反響を呼んだのは、「HAVAL」(ハバル)※にまつわる話だった。
※『長城汽車』傘下のSUVブランドです:引用者注
2021年02月、中国のサプライヤーは、「低温で発火する危険性がある」「として、クロスオーバー車F7とF7xの大規模なリコールキャンペーンを発表した。
それ以前にも、わずか数週間のうちに、ロシアで中国製の少なくとも6台の自動車が凍結した天候で全焼する事故が起きている。
同じような問題は、別の中国企業である吉利汽車のアトラス・モデルでも見つかった。
ロシアの気候のせいにされるような事件(昨年の冬には6件の「爆発」があった)は、中国自体でも起きている。
(後略)
↑氷点下40度という低温で5,000kmしか走っていない電気自動車(メディアは新車と報じていいます)が発火、爆発した例も。
中国の『捜狐』が出典ですが、2020~2022年で電気自動車の火災は上掲のようにまとめられています。この2年間は計86件。1週間に1度あるか、という程度だったのですが……。
非常管理省中国消防救助局によると、2023年第1四半期の時点では、640台の電気自動車が火災に見舞われており、対前年期比で32%増加。1日当たり平均約7台が火災を起こしていることになったのです。
これがロシアに輸出されているというわけで、連帯も何も、ロシアの皆さんからすれば「勘弁してくれよ」という話です。
ロシア国内に増えた中国産自動車についての情報はロシアでも人気があるようで、例えばYouTubeには以下のような動画が上がっています。
↑YouTube『Клубный сервис』チャンネル。
「事故後の中国車 –すべてが死亡!!!」というタイトルで「紳士諸君! 中国車が事故を起こしたらどうなるのかとよく聞かれます。お見せしましょう」と書いてあります。116万回以上再生されているのです。
(吉田ハンチング@dcp)