2022年04月19日、文在寅大統領が次期『韓国銀行』総裁に指名した李昌鏞(イ・チャンヨン)さんの国会聴聞会が開催されました。
国会は政府与党『共に民主党』が押さえていますので、特に波乱もなく終了。「いいんじゃないすか」ということで、04月20日、文大統領が再びこの人事を認可。
というわけで、李昌鏞(イ・チャンヨン)さんの『韓国銀行』総裁就任が正式に決まりました。
先にご紹介したとおり、李昌鏞(イ・チャンヨン)さんは『IMF』(International Monetary Fundの略:国際通貨基金)アジア・太平洋局の局長を務めた人物です。現役の局長だったのですが、文大統領からの指名を受け、働く場を韓国に戻す決定をされました。
正直、難しい局面に入った韓国経済を支える仕事に飛び込むとは驚きですが、中央銀行の総裁などめったにできる職ではありませんので、ご本人にとっては当然の選択だったのかもしれません。
2022年03月23日には、『IMF』のクリスタリナ・ゲオルギエバ専務理事が李昌鏞(イ・チャンヨン)さんの退任を発表し、去りゆく人に以下のような賛辞を贈っています。
(前略)
「李氏は2014年2月に『IMF』に入って以来、組織の素晴らしいリーダーでした。『IMF』での取り組みに優れた知性と情熱を持ち、加盟国への役割を果たすことに力を尽くしました。
李氏はアジア太平洋局を指揮する8年間、『IMF』とアジア諸国との関係強化に大きく貢献しました。
アジアの経済と政治に関する知識や、幅広いネットワークは、加盟国との信頼構築を後押ししました。
李氏の強みは、物事の両面を見られる力です。
李氏はまた、政策の優先順位において合意を促し、『IMF』内および域内の政策当局者から多大な尊敬と賞賛を得ました。
例えばバリで開催した年次総会の運営は指導者としての資質と貢献を示します。
李氏は分析の厳密さにおいて傑出したチャンピオンです。
『IMF』のサーベイランス(政策監視)活動に新しいテーマを統合することを主導してきました。
気候変動や貿易、金融の統合、デジタル経済、長期停滞など、主要な新興テーマに関する最先端の研究を奨励しただけでなく、『IMF』のサーベイランスと政策助言を強化するために、彼自身がこれらの分野に深く関与し、研究に従事しました。
一緒に仕事をすることができた私たちは、彼の親切さと同僚意識、そして素晴らしいユーモア感覚に深く感動しました。
李氏は根っからのリーダーであり、アジア太平洋局職員の福祉に全面的に取り組みました。『IMF』の同僚全員が別れを惜しむことでしょう。
私個人にとって李氏は、優れた助言者であり、不動の同僚であり友人でした。」
(後略)
最大級の賛辞ではないでしょうか。文大統領にしてはいい人を選んだといえます。
まあ韓国では時に死神と呼ばれることもある『IMF』で働いた人を『韓国銀行』総裁に迎えるというのは、歴史の皮肉を感じないでもないですが、優秀な人物であることは間違いなさそうです。
これから4年間、李昌鏞(イ・チャンヨン)総裁の時代が幕を開けます。これからの波乱をどのように乗り越えていくのかに注目いたしましょう。
お手並み拝見です。
(吉田ハンチング@dcp)