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韓国『双竜自動車』の再生計画が認可。2回めの法定管理から卒業!

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短信です。誠に申し訳ありません。

ここまできたので最後まで付き合わないと仕方ない韓国の『双竜自動車』の件です。

2022年08月26日、ソウル回生裁判所(破産案件ばかりを専門に扱う地方裁判所)は、関係人集会を開催。債権者、株主の票決で、担保債権者と株主が100%、債権者の95.04%が賛成したため、『双竜自動車』から提出されていた回生計画を承認する宣言を出しました。

これで、『双竜自動車』は2回目の法定管理下からの脱出に成功。新たに『KGグループ』傘下企業として再出発することが決定です。

最後の難関と見られた、債権者・株主の承認を得るハードルがうまく越えられたのは、前の大株主インドの『マヒンドラ&マヒンドラ』が再建計画に賛成したのが大きかったです。

そもそも『マヒンドラ&マヒンドラ』は、『双竜自動車』の株式の74.65%を保有する圧倒的な支配力を持っていました。そのため同社が反対に回ると、計画承認は絶望的だったのです。

懸念されたのは『インド中央銀行』の反対でした。もし『マヒンドラ&マヒンドラ』が大きな損失を受けるようなら『インド中央銀行』がプランを承認しないことが予想されたのです。

そのため、再生計画では、『マヒンドラ&マヒンドラ』が貸与した金額と債権の5.43%を現金弁済し、残りの94.57%は出資転換するという条項が入れられました。つまり、債権のほとんど全てを出資したとして株式に換えてしまうわけです。『マヒンドラ&マヒンドラ』の保有する株式は10%に減資されます。

また、Money1でも先にご紹介した「債権者に対する現金弁済の割合が少なすぎる」と、債権団から文句が出ていた件ですが、これも上乗せすることで折り合いがつきました。

もともとは、債権者への現金弁済率は「6.79%」でした。100万円の債権があったら、6,790円しか返済されないわけで、これに中小の債権者が不満の声を上げていたのです。

しかし、「13.97%」に上げ、実質弁済率を「36.39%」から「41.2%」に上昇させました。

現金では13.97%しか戻ってきませんが、残りの債権は出資したことにするので――つまりは新生『双竜自動車』の株式に換わるので、実施的に弁済金額は債権の41.2%になる、としたのです。

つまり、債権の金額の41.2%の資産になるというわけです。新生『双竜自動車』が業績を上げて株価が上昇すれば、残りの58.8%も取り返せるかもしれません。

――というわけで、最後のハードルも越えましたので、晴れて法定管理下から卒業が決まりました。

ただし、忘れてはいけないのは、『双竜自動車』が22四半期連続赤字というスゴイ記録を持った会社であるという点です。

『双竜自動車』がこの先たどる運命にご注目ください。

(吉田ハンチング@dcp)

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