韓国の半導体産業2Topの一つ『SKハイニックス』が資金調達に成功しました。
2023年01月10日、『SKハイニックス』は外貨建て債券を発行するに当たり、需要予測で投資家からの要望を募ったところ154億ドルまで積み上がりました。
これを受けて『SKハイニックス』は25億ドルの外貨建て社債を発行することにしました。
5年物:10億ドル
10年物:7億5,000万ドル
小計:25億ドル
米国債金利に乗せたスプレッドは以下のとおりです。
5年物:2.75%
10年物:3.10%
韓国メディアでは、「実際の金利は6~7%となり、提示した金利より0.4~0.5%安く済んだ」などと書いていますが、いえいえ、これは結構な金利です。
日本ではあまり知られていませんが、『SKハイニックス』は、実は信用格付けが決して高い企業ではありません。
世界的信用格付け会社『S&P』は、『SKハイニックス』の長期発行体格付けを「BBB-」としています。一応「安定」ではありますが、決して「肯定」ではないところがミソです。
利回り12%のドル建て債券を発行する『楽天』※よりはマシな金利ですが、25億ドルに対して6~7%なので、金利負担はかなりのものになります。しかもドル建てです。
※2022年12月21日、『S&P』は『楽天グループ』の格付けを「BB」としています。これは「ジャンク債」扱いです。
傑作なことに、この『SKハイニックス』の10年物社債は「グリーンボンド」です。グリーンボンドということは、発行して獲得した資金は、気候変動、再生エネルギーなど環境に優しい投資(笑)にのみ使われなければなりません。
『SKハイニックス』はそんなことをしていましたっけ? あるいはそんなことをするつもりでしたっけ?――という話です。
海外の機関投資家の皆さんは、『SKハイニックス』が本当に資金を環境に優しい投資(笑)に投じるのか、確認を怠らないようにした方がいいのではないでしょうか。
(吉田ハンチング@dcp)