2023年03月31日、韓国の統計庁が「2023年02月の産業活動動向」を公表しました。これは、毎月出している定例の統計資料ですが、今回は見逃せないデータがあります。
⇒参照・引用元:『韓国 統計庁』公式サイト「2023年02月の産業活動動向」
上掲は、Web上で閲覧できるプレスリリースのサマリーですが、
「(生産)全産業生産は鉱工業*(-3.2%)で減少したが、サービス業**(0.7%)などで生産が増え、前月比0.3%増加
*半導体、自動車などで減少
(後略)⇒参照・引用元:『韓国 統計庁』公式サイト「2023年02月の産業活動動向」
さらっと書いてありますが、中身を見てみるととんでもないデータがあります。以下をご覧ください。
<対前月比の主な増減業種>
増加:1次金属(5.1%)、化学製品(3.3%)、機械装備(3.1%)など
減少:半導体(-17.1%)、自動車(-4.8%)、通信・放送機器(-16.4%)など<対前年同月比の主な増減業種>
増加: 自動車(26.2%)、通信・放送装備(43.9%)、機械装備(8.6%)など
減少: 半導体(-41.8%)、電子部品(-36.3%)、化学製品(-17.3%)など⇒参照・引用元:『韓国 統計庁』公式サイト「2023年02月の産業活動動向」
半導体の生産が、対前月比で「-17.1%」、対前年同月比では「-41.8%」と激減しています。
1カ月で17.1%も減ったのは、実に2008年12月以来のことです。韓国の半導体産業がいかに苦境に陥っているのかを如実に示しています。
ご紹介してきたように、世界的なIT不況によってメモリー半導体の需要が著しく低下し、これによって『サムスン電子』『SKハイニックス』の業績が、2022年第4四半期から大きく毀損されました。
『サムスン電子』のDS部隊(半導体事業部)は――
総売上:20兆700億ウォン
営業利益:2,700億ウォン
――と、かろうじて黒字。対前年同期比で営業利益は97.0%減少しました。
『SKハイニックス』は、
総売上:7兆6,985億7,100万ウォン
営業利益:-1,兆7,011億7,700万ウォン
と市場の予測を超える大赤字に落ち込みました。『SKハイニックス』は減産に入り、『サムスン電子』は頑として減産を回避していますが、在庫は通常の約3倍以上に積み上がっているといわれています。
韓国半導体産業の今そこにある危機です。l
(吉田ハンチング@dcp)