2023年06月27日、『韓国銀行』が「2022年の地域別・通貨別のInternational Investment Position(対外資産負債残高:略称「IIP」)」を公表しました(暫定版)。
これは国際収支統計と異なり、IIPですのでストックの統計で「残高」を示しています。以下をご覧ください。
(地域別)Totalの資産の部と負債の部です。
<<負債の部>>
※上掲オリジナルの表組の単位はいずれも10億ドルTotal
資産:1兆7,546億ドル(-162億ドル)
負債:1兆3,974億ドル(-1,423億ドル)※( )内は対前年比の増減額
⇒参照・引用元:『韓国銀行』公式サイト「2022 International Investment Position by Region and Currency(Preliminary)」
まず資産ですが、162億ドル減少しています。対外資産のマイナスは2002年に統計を取り始めて以来初のことです。
実に20年ぶりに韓国の対外資産増加がストップしました。
何が減ったのかというと……
直接投資:425億ドル
証券投資:-961億ドル
デリバティブ:368億ドル
その他投資:6億ドル
増減の小計:-162億ドル⇒参照・引用元:『韓国銀行』公式サイト「2022 International Investment Position by Region and Currency(Preliminary)」
証券投資での資産が「961億ドル」も減少しています。外国の証券市場からお金を抜いたのです。
次に負債の部ですが、これが無茶苦茶で「1,423億ドル」も減りました。
直接投資:-78億ドル
証券投資:-1,822億ドル
デリバティブ:352億ドル
その他投資:125億ドル
増減の小計:-1,423億ドル⇒参照・引用元:『韓国銀行』公式サイト「2022 International Investment Position by Region and Currency(Preliminary)」
最も減少しているのは、やはり証券投資で「1,822億ドル」も減少です(外国人投資家の韓国内資産は韓国にとって負債/韓国にとって負債減は外国人投資家にとって資産減)。
韓国メディアはこの巨額の負債減少について、対ドルでウォン安が6.5%進行したからと説明していますが、とても納得できません。
なぜなら、「2021年末時点:9,947億ドル」だった証券投資の負債は「2022年末時点:8,125億ドル」まで18.3%も減少しているからです。
明らかに外国人投資家は韓国の証券市場から巨額を引き上げたのです。
(吉田ハンチング@dcp)