中国 vs イタリア「一帯一路」抜けるか、抜けないか

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2023年09月04日、イタリアのAntonio Tajani(アントニオ・タイヤーニ)副首相兼外務大臣が訪中し、王毅外相と会談を行いました。

先にご紹介したとおり、イタリアでは閣僚が「一帯一路から抜けるべき」という発言をしており、中国は慰留に務めています。

中国の寝言。「一帯一路から抜けたらイタリアは後悔するぞ」
イタリアが「一帯一路構想」から抜けようとしている――というので、中国は戦々恐々としています。読者の皆さまもすでにご存じでしょうが、2023年07月30日、イタリアのGuido Crosetto(グイド・クロゼット)国防相はイタリアメディア『...

上掲の先記事でもご紹介しましたが、慰留というか脅しもかけています。

で、今回の会談でどうなったのかです。以下が中国の外交部が出したプレスリリースになります。


↑Googleの自動翻訳なので日本語がヘンなところがありますがご寛恕ください/スクリーンショット

王毅氏、中伊協力の実りある成果について語る

2023年09月04日、中国共産党中央委員会政治局委員、王毅外相はイタリアのタイヤーニ副首相と第11回中伊政府委員会合同会議に出席した。

王毅外相は結びの挨拶で、各分野における中伊協力の成果を高く評価した。

王毅氏は、近年、双方の共同努力の下で、中国-イタリア関係は高水準の発展を維持し、中国-ヨーロッパ関係の最前線を歩んでいると述べた。

両国首脳は緊密な連絡を保ち、二国間関係の方向性を導き、相互信頼の基礎を強化している。

中国・イタリア文化観光年は素晴らしいものとなり、古代ローマ文明の展覧会は30万人以上の中国人を魅了し、両国は北京とミラノでの冬季オリンピック開催で互いに支え合い、古代のシルクロードから受け継いだ千年の友情は長く続いている。

「一帯一路」建設における協力は実り多いものとなった。

過去5年間で、中国とイタリアの貿易額は500億ドルから800億ドル近くに成長し、イタリアの対中輸出は約30%増加した。

上海交易会や海南消費者交易会などのプラットフォームを利用し、イタリアのさまざまな種類の高品質商品が中国の何千もの家庭に入っている。

中国とイタリアの協力により、中国初の大型客船が順調に航行し、イタリア企業のCR929航空機プロジェクトへの参加が順調に進み、双方は2回にわたる第三者市場重点協力プロジェクトリストを形成した。

王毅氏は、新しい情勢と新しいチャンスに直面して、中国は開放とWin-Win関係を堅持し、実務協力を重視し、包容力と相互理解を促進し、中-イタリアの包括的戦略パートナーシップを推進し、より大きな発展を実現することに同意することを望んでいると強調した。

⇒参照・引用元:『中国 外交部』公式サイト「王毅谈中意合作丰硕成果」

王毅外相は、中国-イタリア関係はうまくいっていると評価してみせました。

イタリアが一帯一路から抜けることを阻止したいためです。

なにせG7の一角を占める国ですので、イタリアが一帯一路にいることだけで意味があるのです。今になって抜けられると、中国の面子は丸つぶれになります。

しかし、イタリア側は「一帯一路に入ったことでイタリアに得なことはなかった」という評価。

実際、タイヤーニ副首相は訪中に出発する前には「(一帯一路は)イタリアの期待に応える結果をもたらさず、多くの政党が反対している」と述べています。

中国共産党の英語版御用新聞『Global Times』は、専門家の口から「イタリアの政治家は、中国とイタリアの一帯一路協力について、合理的かつ現実的である必要があり、それは双方に利益をもたらすだけでなく、中国とヨーロッパの関係の深化を促進する」と言わせています。

合理的に考えて「イタリアにとって得がなかった」というのがイタリアの政治家の意見なのですが。

さあイタリアはどうするのか?――です。

(吉田ハンチング@dcp)

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