2024年01月31日、韓国半導体最大手『サムスン電子』の業績が出ました(今回は当期純利益も出ています)。以下をご覧ください。
2023年第4四半期
総売上:67兆7,799億ウォン(-3.81%)
営業利益:2兆8,247億ウォン(-34.40%)
当期純利益:6兆3,448億ウォン(-73.39%)2023年通期
総売上:258兆9,355億ウォン(-14.33%)
営業利益:6兆5,670億ウォン(-84.86%)
当期純利益:15兆4,871億ウォン(-72.17%)※( )内は対前年同期比の増減
⇒『韓国金融監督院 公示システムDART』公式サイト
通期では、営業利益は対前年比で「約84.9%」減少。先にご紹介した速報値時点では-85%でしたから、ほとんど変わっていません。
半導体を担当するDS(Device Solution)部門」ですが、
総売上:21兆6,900億ウォン
営業利益:-2兆1,800億ウォン
2023年通期
総売上:66兆5,900億ウォン
営業利益:-14兆8,800億ウォン
――という結果で、半導体は約15兆ウォンの赤字となりました。
通期の-14兆8,800億ウォンは、『サムスン電子』始まって以来、過去最大の半導体部門の赤字です。
2022年のDS部門の営業利益は「23兆8,200億ウォン」でしたから、なんと38兆7,000億ウォンも下落し、大赤字となったのです。
『サムスン電子』は、カンファレンスで「生成型AI関連のHBMサーバーとSSD需要に積極的に対応しながら収益性の改善に集中する計画」とし、「これにより2024年第1四半期のメモリー事業は黒字転換が予想される」と述べています。
メモリー半導体だけでは限界
『サムスン電子』はメモリー半導体に特化しているため、このように大赤字の業績になったのですが、実はシステム半導体を開発・販売している企業では業績は好調なのです。
例えば、2024年01月30日に2023年第4四半期の業績を発表したアメリカ合衆国『AMD』は――。
2023年第4四半期
総売上:61億6,800万ドル(10.2%)
当期純利益:6億6,700万ドル(307.6%)※( )内は対前年同期比の増減
⇒参照・引用元:『AMD』公式サイト「AMD Reports Fourth Quarter and Full Year 2023 Financial Results」
――上掲のとおり、当期純利益は実に対前年比で約31倍になっています。これはAI関連需要が大きく効いたためです。システム半導体を生業としている企業なので大きく稼ぎました。
もっとも『AMD』の場合、市場予測に届かなかったので、上掲のとおり株価は下がりました(チャートは『Investing.com』より引用)。ただ、メモリー半導体で食べている『サムスン電子』との業績の差は歴然としています。
『サムスン電子』は、高付加価値のHBMなどに力を入れるとしていますが、目論見どおりに2024年第1四半期に半導体部門が黒字になるのか――は要注目です。
(吉田ハンチング@dcp)