韓国の金融委員会と金融監督院が不動産PF(プロジェクトファイナンス)問題でいよいよ本腰を入れる――ということで業界にも緊張が走っています。
2024年06月からは「事業所の仕分け」が開始されます。
不動産PFに関与している全事業場に、厳格な事業性の評価を行い、
・良好
・普通
・注意
・不良懸念
の4つに区分し、「良好」格付けでは再編や自律売却を、「不良懸念」格付けの場合は償却や公売などで整理するとしています。
まず全国5,000ほどある全事業所の30%「約1,500」の事業所が対象となって仕分けされ、措置が整理されます。何度も言いますが、これは不良債権処理に他なりません。
エクスポージャー※は130~135兆ウォン(133兆ウォンなどの報道あり)から230兆ウォンに増えたため、不良債権処理に掛かるお金も増えて当然です。
韓国『ナイス信用』は、エクスポージャーが増えたので新たな分析を披露しました。それによると――、
証券会社1.9兆ウォン
キャピタル:3.5兆ウォン
貯蓄銀行:3.3兆ウォン
小計:8.7兆ウォン
3業種で最大8.7兆ウォンの引当金を積んでおかないと危ない――としています。
「そんなもので済むかね」なのですが、建設業界では金融当局への反発が強まっています。『東亜日報』によると、
(前略)
韓国不動産開発協会は最近、緊急座談会を開き、「(今回の対策は)不動産開発事業の過程で事業所間の連帯保証が多いため、一カ所を整理すれば他の正常な事業所まで連鎖倒産する可能性があるという点を見落とした」と批判した。
(後略)
「見落としたじゃないだろ」です。1カ所飛ばしたら他の事業所も飛んで連鎖倒産が起こる可能性があるとしています。
誘爆です。
PF問題はこれからです。韓国政府はその思惑どおりに軟着陸させることができるでしょうか。「藪をつついてヘビ」という言葉もあるわけですが。
※エクスポージャーというのは日本語に訳しにくい言葉ですが「リスクにさらされている資産の量」ぐらいの意味です。
(吉田ハンチング@dcp)