韓国が進めている「クリーンエネルギー政策」の経済性にも関わることですのでご紹介します。
韓国では仁川沖(徳積島から西に約20㎞離れた海域)に世界最大規模の洋上風力発電施設を建設する計画が進んでいます。
民間投資:47兆6,000億ウォン(約4兆4,744億円)
政府投資:9,000億ウォン(約846億円)
小計:48兆5,000億ウォン(約4兆5,590億円)
計画からすると、風力発電の発電機(巨大な羽が回るアレです)が500~700基もいることになるのですが(1,000基以上いるという話もあります)、そのような巨大施設がいつ完成するのか心配になりますが……。
2021年07月07日、『韓国電力公社』が通常なら90日程度かかる発電機の設置を10日で完了できる技術を使った「洋上風力一括設置船」(MMB・Multi-purpose Mobile Base)の進水式を行ったことを発表しました。
簡単にいえば、陸上で発電機の本体を製作しておいて、これを運搬して設置する船です。
そんなにほいほい海に設置できるのかという話なのですが、この基礎部分の設置に『韓国電力公社』が開発した「吸引基礎インストール技術」なるものが使われると説明しています。
以下が『韓国電力公社』のプレスリリースにある説明図です。
「大型鋼管を海底に取り付けた後、吸引ポンプを利用して、鋼管内の水を排出。この時に発生する鋼管内外の水圧差を利用して基礎を地盤に貫入する、新概念の洋上風力下部基礎の急速インストール技術」
――と説明しています。
⇒参照・引用元:『韓国電力公社』「韓電『世界初』の海上風力一括設置の技術開発」
この設置技術によって工期も短縮でき、環境に与える影響も小さくて済む、というのです。
設置船はすでに進水式を行っていますが、まだ設置を始めたわけではありません。この船の有用性がいかなるものかについては注目したいところです。
⇒参照・引用元:『毎日経済』「韓電、洋上風力発電機の設置、90日→10日に短縮技術開発」
(吉田ハンチング@dcp)