中国共産党の英語版御用新聞『Global Times』が「中国の造船業は世界市場で力を増している」という記事を出しています。
先にご紹介したとおり、韓国の産業通商資源部は世界第1位のシェアを保つため、そしてライバルに差をつけるために「100の超格差技術を確保する」――と宣言しました。
このライバルというのは中国企業のことです。
もっとも、「超格差技術」など韓国にはないので、今から造るのです。
韓国政府がこのような宣言を出すほど、中国の追い上げが激しいわけです。韓国企業が下請けに中国企業を使うほどに、中国造船業が躍進していることは確かです。また、韓国お得意の安値受注も、中国には敵いません。
ダンピング・過剰な生産力の輸出では、中国と勝負できる国などないのです。
御用新聞『Global Times』がどのように、中国の造船業を誇っているのか、記事の一部を以下に引きます。
中国の造船業界は2024年上半期に大幅な伸びを見せ、売上高と利益が増加し、世界の新規受注のほぼ75%を中国が獲得したことで、中国の製造業の勢いが高まっていることが示された。
(中略)
世界的な需要の高まりも一因だが、中国の技術進歩が急速な発展の礎となっていると専門家は述べた。
これらの成果は、製造能力を強化し、新しい質の高い生産力を開発するための中国の努力を示している。
専門家は、さらなる成長と収益性の向上の可能性があると述べた。
このためには、技術の進歩と、高価値船舶のコア部品の生産における自立の達成が不可欠である。
(後略)
中国の造船技術が進歩したから受注も圧倒的としてます。言い草が韓国そっくりで、さすが大朝鮮・中国といったところ。
「技術の進歩と、高価値船舶のコア部品の生産における自立の達成」が必要という指摘も、また韓国にそっくりです。
もうけがどのくらいかというと――「中国の造船業界の利益の伸びは堅調で、工業情報化部によると、今年01~05月の総利益(Total Profits)は前年比187.5%増の160億元(22億ドル)に達した」――としています。
中国のことなので、本当にそこまで利益が出ているかどうか分かりません。国有企業が多く、利益が出ようが出まいが別に構わんという国だからです(だから安値の叩き合いに勝てる)。
御用新聞『Global Times』がこのように造船業にスポットライトを当てて誇るのは、
・輸出が回復している
・中国の製造業は復権している
という中国政府の主張を補強するものだからです。
このうような国と正面切って戦わなければならない韓国および韓国造船企業は不幸ともいえます。もっとも、安値で受注を積み上げたツケが韓国を襲っているともいえるわけで、そういった見方をすれば「身から出たサビ」です。
(吉田ハンチング@dcp)