台湾に被害をもたらし、福建省から中国本土に上陸した台風3号(ケーミー)は熱帯低気圧に変わり衰えました。しかし、その影響は残って湖南省は各地で非常に激しい降雨に見舞われました。
湖南省は先の洞庭湖の堤防決壊に続いてまた水浸しです。
2024年07月28日、湖南省湘潭市の湘江※支流の涓水(けんすい)で、1972年の観測以来最大の洪水が発生し、堤防が決壊しました。
↑「07月28日、湖南省翔潭市で堤防が決壊した」と伝える動画。
7月28日20時頃、湘潭市湘潭県易俗河鎮郭家橋新塘村の四新堤で決壊の危険が発生。29日03時58分、危ない決壊口が77メートルに拡大して、ついに2カ所で決壊。郴州市紫興市の8つの村では道路やインターネットなどのライフラインが寸断され、電気も途絶。
↑湘潭市では湘江の屈曲部があり、素人が見ても「氾濫したら危ない」と思わされます/PHOTO(C)Google Map
湘潭市は初代中国共産党主席の毛沢東さんの出身地として知られています。毛沢東さんの出身地が水没というのは、中国共産党にとっては恥以外の何物でもありません。
それで他地域よりも多くの人員が投入され、メディアも救助活動を大きく取り上げているのではないのか――という指摘がされています。
しかし、ことは湘潭市だけではないのです。衡陽市では起こった土砂崩れでは21人が生き埋めとなって15人が亡くなりました。6人が負傷です。
↑2024年07月28日07:18頃、湖南省衡陽市で鉄砲水による土砂崩れが発生しました/スクリーンショット
※洞庭湖に注ぐ長江右岸の支流で湖南省最大の河川。
29日07:30分に至り、新塘村と新虎村の3,832人の全住民が避難しました。地元では郭家橋中学校など4つの学校を臨時の避難所として準備し183人の住民を収容、3,649人が親戚や知人のもとに身を寄せました。29日10時頃までに、消防部隊が472人の住民を救出し、避難させることに成功。
また、涓水の別の箇所でも決壊が発生しました。
『新華社』報道によると、28日夜、湖南省湘潭花石鎮龍潭村近くの堤防が決壊しました。地元では緊急に住民が避難しましたが、涓水の水位は28日には保障水位を超え、一部の河川区間では歴史的な水位記録を更新した――とのこと。
↑Money1でもご紹介したとおり、2024年07月06日には洞庭湖で堤防が決壊して周辺は水浸しになりました。
中国はどこもかしこも水没しています。経済的損失、人的被害も積み上がるばかりです。
(吉田ハンチング@dcp)