中国・中堅有名EVブランド『哪吒自動車』親会社破綻。中国EVバブルの崩壊

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中国に中堅電気自動車メーカー『哪吒汽車(NETA Auto)』という会社があります。


↑『哪吒汽車(NETA Auto)』は中国では有名ブランドです。

このブランドを運営している母体が『合众新能源汽车股份有限公司』という企業です。

2025年06月12日、突如以下のような公示が出ました。

簡単にいえば「事実上“破綻状態”となったので再建に向けて動き出します」というリリースです。

NETA自動車 再建声明
親愛なるパートナーの皆様、お客様および社会各界の皆様へ:

本日、哪吒汽車の親会社である「合衆新能源汽車股份有限公司」(以下「合衆新能源」)は正式に再建手続きに入ったことをお知らせいたします。

今回の再建は、浙江省嘉興市中級人民法院の監督のもと、政府主導による積極的な自助行動であり、法律手続きを通じて債務危機を解消し、戦略的投資を導入し、管理体制を最適化することで、企業の持続可能な発展に向けた新たな道を切り拓くことを目的としています。

なお、今回の再建は債務再編のためのものであり、企業破産や業務停止を意味するものではありません。国内外業務、従業員や車主(オーナー)のサポート、将来的な事業計画に関する具体的な内容は今後順次お知らせいたします。

一、再建の背景と目的
近年、哪吒汽車は新エネルギー車業界における競争の激化に直面しており、市場の成長速度の鈍化や販売の圧力、資本市場の不確実性が重なって、経営に深刻な課題をもたらしてきました。これにより企業は持続的な発展能力を欠く状況となりました。

そのため今回、法的な再建プロセスを通じて、債務問題を根本から解決し、経営体制を最適化し、資本を段階的に注入することで、企業の再生を確保することを目指します。

二、再建案の核心内容
1. 主要な方針と公平性の確保
本再建は、法に基づく公正な手続きに従って推進されます。債権者の権利と従業員の権利を重視し、消費者およびオーナーに関する問題も優先的に解決し、最終的には負債構造と資源の最適配分を図ります。

2. 戦略的投資および管理チームの導入
国内外の有力産業資本と連携し、今後の投資資金はすべて生産再開、技術研究開発、海外市場拡張に使われます。また、原有の管理体制を再編し、海外大手自動車企業での経験を有する専門人材を新たなCEOに迎え、グローバルな経営体制を構築します。

3. 国内外事業の安定維持
国内工場:桐郷などの生産拠点を順次再稼働し、既存注文の納車を優先的に保証します。

海外市場:現在の再建は海外業務に影響を及ぼしません。タイ、インドネシア、ブラジルなど主要市場での事業は正常に継続中です。

4. ユーザー権益の保障
すべての哪吒モデルにおいて、アフターサポート、OTAアップグレード、部品供給体制を保障し、車載システムおよびAppサービスも通常どおり運営されます。

三、今後の戦略計画
1. 技術革新と製品アップグレード
プラットフォームの最適化により、インテリジェントシャーシやスマート技術の導入を加速。2027年前に第3世代のグローバル戦略モデルを発表予定。価格帯は10〜20万元で大衆市場をターゲットとし、高級化にも対応。

2. グローバル展開とエコシステム連携
海外パートナーと協力し、多様な投資チャンネルを活用しながら、海外での販路・ブランド展開を強化します。

結びに
今回の再建は、当社にとって重大な転換点となります。

皆さまの信頼と支援に心より感謝申し上げます。困難の中でも、私たちは初心を忘れず前進し、責任ある企業としての姿勢を堅持してまいります。

本声明に関する最新情報は、公式サイト、WeChat公式アカウント、微博(Weibo)、および各種アプリにて適時ご案内いたします。

哪吒汽車
合衆新能源汽車股份有限公司
2025年06月12日

Money1でもご紹介してきたとおり、中国の自動車企業は安値の叩き合いで(しかもハンパない)レッドオーシャンと化しており、ぶっ飛び目前企業の目白押しです。

今回の件については、06月13日付で、親会社に対する破産審査申請が浙江省嘉興市中級人民法院に受理されたと報道されています(申請者:上海の広告代理店)。

これは、破産清算ではなく「重整=再建」プロセスへの入り口であり、組織の再編と新資本導入による立て直しを狙ったものとなっています。

『哪吒汽車(NETA Auto)』自体はブランドとしての存続を強くアピールしています(Facebookや声明でも「事業継続に影響なし」と繰り返し説明)。大丈夫と言われれば言われるほど「危ない」と感じるのは国がどこだとろうと同じです。

会社再建のための「重整※1」を準備中で、裁判所の監督下で、政府主導の「自救※2」に取り組むと宣言していますが、どうなるかは当然不明です。

リストラ型の法的整理のこと。※2自力再建のこと。

現CEOで創業者の方運舟を交代させる可能性も示唆されています。

中国の電気自動車バブルは今音を立てて崩壊しようとしています。「今崩れゆく崖の上に立ち……」そんな感じでしょうか。

ただし2025年06月13日現在『哪吒汽車(NETA Auto)』自体はまだ活動中です。あくまでも「親会社が事実上破綻したけど債権に向けて活動中」との立場です。面白いのは、ネット上に「タイでは部品が来なくなったぞー」などの消費者の声が散見されることです。

(吉田ハンチング@dcp)

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