韓国「179人死亡の務安空港の航空事故」右エンジン不調が常態化していた。1年間に8回トラブル

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2024年12月29日に発生した韓国・務安空港で発生した『済州航空』航空事故。乗員・旅客合わせて179人が亡くなるという痛ましい事件でした。

ランディングギアが出ないまま胴体着陸を試み、滑走路を時速200km以上で滑り、10秒のうちに滑走路南端の「ローカライザー」(着陸誘導安全施設)に衝突、爆発炎上。

――です。直接的な原因は左エンジンは推力を維持していたにもかかわらず、燃料供給を止めて推力を喪失したこと――とだと推測できます。

韓国メディア『朝鮮日報』が当事故について、エンジンの不調が何度も起こっていた機体だった――と新しい情報を出しています。

同記事から以下に引用します。

(前略)
13日(2025年10月13日:引用者注)、国会国土交通委員会のキム・ウネ議員(国民の力)が国土交通部から受け取った「務安事故機(HL8088)エンジン点検内訳」によると、

この旅客機は2023~2024年の間に10回、故障・損傷・異常メッセージの発生があり、10回部品を交換していた。

故障内容には、着陸時に推力を制御する電子エンジン制御装置(EEC)など、主要装置も含まれていた。

航空機の部品故障は運航環境などによってしばしば起こるが、問題は昨年だけで8回の故障が発生した上に、すべての故障が右側エンジンで起きたという点である。

昨年の務安空港事故直後、国土交通部航空鉄道事故調査委員会(사조위=航空鉄道事故調査委員会)の調査でも、左右のエンジンのうち右エンジンが深刻な損傷を受けていたことが明らかになっている。

また、2022年11月には済州航空機(HL8303)が日本・関西を出発し済州島に向かう途中、エンジンの欠陥で引き返す事故が発生したが、この航空機のエンジンと務安空港事故機のエンジンは同じ種類だった。

当時、この飛行機は高度1,500フィートに上昇する時点で「バン」という音とともにエンジンが故障した。

翌年、済州航空はドイツのエンジン製造会社MTUにCFM56エンジンの修理を依頼したところ、MTUは「エンジン製造中の特殊工程および鍛造過程で発生した欠陥が主原因で、エンジン内部が損傷した」との結果を通報した。

エンジンの発電機として機能する高圧タービンのブレード(羽根)に亀裂が入り、全体の損傷を引き起こしたというもので、製造工程の段階で品質が確保されなかった製造欠陥だと明記された。

このエンジンはアメリカ合衆国とフランスの合弁会社『CFMI』が製造したものである。

しかし、航空鉄道事故調査委員会は今年初め、問題のエンジンをフランスに送って分析した後、「エンジンの欠陥はなかった」という中間結論を下した。

その代わり、今年07月に「操縦士の錯覚によりエンジンを誤って停止させた」という趣旨の発表を行おうとしたが、遺族の反発で発表は取りやめになった。

事故調は遺族に対し、「操縦士が損傷のひどい右エンジンではなく左エンジンを停止させ、その後右エンジンの電力装置(IDG)も操縦士が切った」と説明した。
(後略)

⇒参照・引用元:『朝鮮日報』「[단독] 무안공항 사고기, 지난해 엔진 부품만 8차례 교체」

『朝鮮日報』の記事は、パイロットによる人為的なミスによる事故ではなく、エンジンなど構造的欠陥があったのではないのか――という方向にもっていきたいように見えます。

片肺飛行になってもゴーアラし、着陸できた推力はあったはずなのですから。

しかし、当事故の調査にはアメリカ国家運輸安全委員会(NTSB)、フランス航空事故調査局(BEA)などの機関が参加しており、事実の積み上げこそが重要です。

(吉田ハンチング@dcp)

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