韓国のLNG需給がさらに逼迫する可能性がある――という話です。
「イスラエル + アメリカ合衆国 vs イラン」戦争の勃発によって、ホルムズ海峡が事実上封鎖されております。
韓国のLNG輸入量の25~30%はカタール産なのですが、先にご紹介したとおり、イランの中東諸国への報復攻撃(03月18日 深夜〜19日未明:現地時間)によって、カタールのラス・ラファンのLNG施設にミサイルが着弾しました。

このラス・ラファン工業都市世は界最大級のLNG生産拠点なのです。

カタールの被害について『Reuters(ロイター)』が、『QatarEnergy』のCEO兼エネルギー担当国務大臣であるSaad al-Kaabi(サード・アル=カービ)にインタビューを行い、報道しています。
同記事から一部を以下に引用してみます。
(前略)
サード・アル=カービは、カタールの14のLNGトレインのうち2基と、2つあるガス・トゥ・リキッズ(GTL)施設のうち1基が、前例のない攻撃で損傷を受けたと述べた。修理には3年から5年を要し、その間、年間1,280万トンのLNGが停止することになると、同氏はインタビューで述べた。
「こんなことは夢にも思わなかった。カタールが―カタールとこの地域が―このような攻撃を受けるとは、しかもラマダンの月に、兄弟であるムスリム国家からこのような形で攻撃されるとは思いもしなかった」とカービは述べた。
その数時間前、イランは自国のガスインフラに対するイスラエルの攻撃を受け、湾岸の石油・ガス施設に対して一連の攻撃を行っていた。
国営の『QatarEnergy』は、損傷した2基のトレインにより、イタリア、ベルギー、韓国、中国向けのLNG供給に関する長期契約について最大5年間の不可抗力を宣言せざるを得ないと、カービは述べた。
「つまり、これらは長期契約であり、不可抗力を宣言しなければならない。
すでに宣言はしているが、それはより短期間のものだった。今後は期間がどれだけであれ、それに応じたものになる」と同氏は語った。
(中略)
トレインS4はイタリアのEdison(EDNn.MI)およびベルギーのEDFTへの供給に影響し、トレインS6は韓国のKOGAS、中国のEDFTおよびShellへの供給に影響する。
今回の攻撃による被害の規模は、この地域を10年から20年後退させたと同氏は述べた。
(中略)
影響はLNGにとどまらない。カタールのコンデンセート輸出は約24%減少し、液化石油ガス(LPG)は13%減少する見通しである。
ヘリウム生産は14%減少し、ナフサおよび硫黄はいずれも6%減少する。
これらの損失は、インドの飲食店で使用されるLPGから、ヘリウムを使用する韓国の半導体メーカーに至るまで影響を及ぼす。
(後略)
文中にある「不可抗力の宣言(force majeure)」とは、契約当事者が「自分の責任ではない外部要因により契約履行が不可能になった」ことを正式に通知し、契約上の義務を一時的または恒久的に免除・停止する手続きです。
つまり、今回のイランによる攻撃によって韓国と交わしたLNGの長期契約が最大5年間果たせません――ということです。
韓国のLNG需給はさらに逼迫することになりました。
(吉田ハンチング@dcp)





