韓国株式市場に大枚をはたいている個人投資家が危うくなってきたように見えます。
以下はKOSPI(韓国総合株価指数)の2026年07月03日(金)が締まった後のチャートですが、終値は「8,088.34」(チャートは『Investing.com』より引用)。

直近最高値は6月19日の始値「9,385.59」ですから、07月03日まで約13.8%も下落しています。
Money1では連日、KOSPIの状況をご紹介しているとおり、外国人投資家は連日売り越しを続けています。KRX(韓国取引所)によると、直近10営業日で連続の売り越しを続けました。
2026年上半期で約150兆も売り越した!
驚くなかれ、2026年上半期の累計純売却額は149兆464億ウォンです。03日も大規模な売りを続け、累計規模は155兆ウォンに達しました。
06月29日には、その1日だけで7兆7,332億ウォンを売り越し、1日当たりとして過去最大記録を更新しました。
これだけ売り越しているのに、時価総額ベースでみると、実は外国人投資家の保有比率は上昇しています。2026年初は約35%だったのですが、現在は40%前後。
なぜこんなことになるかというと、先に同じ話をご紹介したとおり、単純に株価が右肩上がりで異常なアゲを続けてきたからです。外国人投資家が保有する銘柄の上昇ペースが売却規模を上回っているので、このようなことになるのです。
ですから、韓国メディアの多くは「外国人投資家の韓国株の巨額売却は急騰した韓国株の保有比率を調整しているのだ」という見方をしています。ポートフォリオの調整だ――というわけです。
それはそうかもしれませんが、売却したらウォンを売ってドルに換え、持ち出すわけですから、これは資金流出であって、ウォン安を進行させる大きな圧力になります。
また、いまだに保有比率が高いので、これからも売却が続く可能性は高いと見なければなりません。
さらにウォン安傾向が続くと、外国人投資家はウォンを売ってドルに換えたくなります。なぜなら早くドルに換えないとどんどん資産が目減りするからです。
外国人投資家はいいとしても、問題は韓国の個人投資家です。
官製相場に乘せられて頂上まで来てしまった、あるいは高値でつかんでしまった――という状況とも見ることができます。行きは良い良い帰りは怖い――とはよくいったものです。
先にご紹介したとおり、外国人投資家が爆売りしているのに株価指数が上昇したのは、外国人投資家の資金が不要になったからではありません。個人投資家と証券屋が同じ主力銘柄を買い支えて持ちこたえた結果です。
では、個人投資家が持ちこたえられなくなったら?
個人投資家は追証・強制決済「反対売買」の恐怖にさらされる
もし個人や証券屋など国内資金が「もう買えない」「これ以上は買いたくない」となれば、
外国人の売り圧力 > 国内資金の買い
となります。
そうなれば、売り注文を吸収できなくなるため、株価は下落します。
さらに問題なのは、株価が下落し始めると、次のような悪循環に入る可能性があります。
1.個人投資家の含み益が減る、あるいは含み損になる。
2.利益確定や損切りの売りが増える。
3.信用取引の追証・強制決済が発生する場合がある。
4.ETFの資金流出が起きれば、ETFも保有株を売却する。
5.需給がさらに悪化し、下落が加速する。
需給だけを見れば、買い手が息切れした市場では売り手が価格を決める側に回ります。
下落局面が認識された時点で、個人投資家は追証、損切・強制決済地獄に陥る可能性があります。
信用取引の残高が大きい市場は、上昇局面では買い圧力を増幅しますが、下落局面では逆に売り圧力を増幅します。
1.信用買いで株を購入する。
2.株価が下落する。
3.担保価値が低下し、追加保証金が必要になる。
4.資金を入れられない投資家は、保有株が強制決済される。
(証券会社が信用取引契約に基づいて投資家の意思確認を待たずに建玉を強制的に決済する:これが反対売買)
5.その売りがさらに株価を押し下げ、新たな追証を生む。
――という連鎖が起こります。これが、いわゆる「信用買いの巻き戻し」です。
危なくなってきた――の兆候がすでに見える
上掲チャートのとおり、危なくなってきた――と見えます。
実際、懸念されるデータも出ています。
例えば07月03日の『毎日経済TV』報道では、
KOSPIは06月22日の最高値9,114.55から7,000台半ばまで下がり、1カ月で15%超下落。
投資家預託金は06月04日の139兆6,948億ウォンから07月01日に120兆837億ウォンへ13%超減った一方、信用取引融資残高は38兆6,328億ウォンから37兆3,282億ウォンへ3%台の減少にとどまった。
――と報じています。つまり、現金の余力は減っているのに、借金ポジションはあまり減っていないということです。
同報道は――、
株価が追加下落すれば「反対売買」、つまり担保不足による強制売却につながり、それがまた株価下落を促す悪循環になり得る
――とも書いています。まったくそのとおりで、これはまさに「追証・損切り連鎖リスク」です。
06月にはすでに反対売買が急増しています。強制的に決済されて損が確定する規模が拡大しているのです。
06月22〜26日の1週間で強制処分額が2,717億ウォンとなり、前週648億ウォンの4倍超に増えたと報じています。
06月26日時点の信用融資残高も37兆7,615億ウォンと、なお高水準でした。
これより、さらに株価が下落したらどうなるでしょうね? もちろん個人投資家は阿鼻叫喚の地獄絵図です。
さあ、間もなく2026年07月06日(月)の市場が開きます。新しい月曜日、韓国株式市場はどのようなプライスアクションを見せるでしょうか。
(吉田ハンチング@dcp)





