新型コロナウイルス騒動で経済状況が急速に悪化し、韓国の各企業は「現金確保!」を至上命題として動いています。
企業が現金を確保する方法としては「売上」を上昇させ、利益を増やすのが一番いいわけです(現金商売であればなお良い)が、新型コロナウイルス騒動で景気が悪化している中、これは無理。
社債の発行は? ⇒ 無理。投資家が買ってくれるような状況ではない。
CP※1の発行は? ⇒ 同上。
新型コロナウイルス騒動が深化するに従って投資家心理は冷え込み、証券類の発行は難しくなってきました。
2020年04月26日の『中央日報』に「コロナに企業の『現金確保戦争』…2月発行社債12条突破」という記事が出ました。同記事は、まさにこの現金確保の動きを明らかにするものです。
先の記事でもご紹介しましたが、同記事によれば2020年の社債発行額は以下のようになっています。
<<2020年社債発行額>>
01月 6兆8,052億ウォン
02月 12兆3,375億ウォン
03月 5兆551億ウォン
04月 1兆9,517億ウォン⇒参照・データ引用元:『中央日報』「コロナに企業の『現金確保戦争』…2月発行社債12条突破」(原文・韓国語/筆者(バカ)意訳)
※赤アンダーライン、強調文字は筆者による(以下同)
コロナ騒動が続いて、現金が必要なのになぜ社債の発行額が減っているのでしょうか? 「買ってくれる人がいない」から発行できないのです。02月が最大の発行量になっているのは、企業が環境の急変に慌てて社債を発行し、投資家の需要が激減する前、ぎりぎり間に合ったからというわけです。
それでも企業には現金が必要です。
で、どうなったかというと――「よし、銀行からお金を借りよう!」です。関西の芸人さんなら「普通やん!」と突っ込まれるかもしれません。
同記事から以下に一部引用します。
社債市場を通じた現金調達が困難になっため、国内企業は銀行からの融資を増やしている。
『韓国銀行』が発表した金融市場の動向によると、今年3月末基準で市中銀行の企業融資残高は901兆3,021億ウォンで、2月末と比較して18兆6,757億ウォン増えた。
企業の銀行融資は直前の最大値である10兆9,000億ウォン(2014年1月)を超えた。
銀行融資を求めた企業は、規模を問わなかった。
大企業の銀行融資は3月の1カ月間で10兆6,809億ウォン増えた。中小企業も1カ月間で7兆9,949億ウォンを借りた。
自社で努力してみて、どうにも駄目だったらやはり銀行に頼まないと仕方がないわけです。ただ、こういう企業ばかりになってしまったため、今度は銀行側が貸し出し金額の激増に四苦八苦しています。
以下の記事などは貸し出し金額を増やすための「工夫」をご紹介したものです。
企業が銀行に「お金を貸してくれ」と殺到しているため、次に心配されるのは「銀行は大丈夫か?」ということです。もともと韓国の銀行はどれもそれほど堅牢なものではないのです(これについては別記事を制作いたします)。
もちろん韓国政府が意地でも銀行をトばしはしないでしょうが。
※1CP(commercial paper:コマーシャル・ペーパー)」とは「約束手形(基本「無担保」)」の一種で、資金を調達するときに発行します。
(吉田ハンチング@dcp)