韓国といえば財閥系企業が屋台骨を支えていることで知られます。『サムスン』『SK』『現代』『LG』『ロッテ』などは日本でも有名です。財閥というと差し障りがありますので「グループ」ですね。
この企業集団が「グループ内部で大量のお金を回しているぞ」というデータが韓国メディア『毎日経済』2020年06月24日の記事に載りました。
同記事から一部を引用します。
昨年、国内の大企業集団の系列会社の内部取引で随意契約金額が最も多いのは『SKグループ』で40兆ウォンを超えた。
『新世界』『ネイバー』『錦湖アシアナ』など17のグループは昨年、内部取引の100%が随意契約で行われたことが分かった。
企業評価サイトCEOスコア(代表バク・ジュグン)は24日、公正取引委員会の指定64大企業集団55個グループの総数2千113系列会社の内部取引形態を調査した。
その結果、昨年の内部取引金額は167兆4,925億ウォンであり、このうち94.0%(157兆3,603億ウォン)が随意契約で行われた。
※赤アンダーライン、強調文字は筆者による
日本でもたまにニュースになりますが、「随意契約」というのは「競争入札を行わず、任意に決定した相手と契約を締結すること」です。
「じゃあ、この仕事はあなたにお願いしよう!」を入札なしで決めますから、お手盛りになりやすく、政府や公共団体がこれを行うと「企業からお金をもらってるんじゃないか?」などの疑いを持たれます。
同記事によれば最も金額が多いのは『SKグループ』で、グループ内取引「40兆7,273億ウォン」のうち「98.5%」に当たる「40兆1,184億ウォン」が随意契約。金額順に以下のように続きます。
『現代自動車グループ』:33兆7,549億ウォン(内部取引の91.4%)
『サムスングループ』:24兆8,806億ウォン(内部取引の99.3%)
『LGグル-プ』:12兆3,963億ウォン(内部取引の82.9%)
私企業ですので、透明性がどうとかいう議論にはなりませんが、グループ内でばかりお金を回すことになっているのは確かです。
なにせ「157兆3,603億ウォン」(約13兆9,709億円)※1がグループの外に出ないのです。こういう巨額の随意契約による内部取引は外から見ると異常に見えますが、韓国では至極当然のことなのでしょう。
※1ウォン円の換算は2020年06月24日の「1ウォン=0.089円」で行いました。
(柏ケミカル@dcp)