これからの「ユーロ高」傾向について長期に渡って継続するのではないか? という意見があるのに対して、「本当に?」「続かないってば!」という識者の意見もあります。
「続かないってば!」とする識者の中には「ECB(欧州中央銀行)によるマイナス金利が解除されれば本格的な高値トレンドになるのだが……」という意見があります。実際、ユーロ/ドルの相場を見ると以下のようになっています。
一目瞭然ですが、マイナス金利を導入した2014年06月以降ズンズンとユーロ安が進みました。そりゃそうですね。みんながユーロ資産を削ぎ落としていった結果です。
2017年02月以降、ユーロ高に転じて08月まで力強く上昇しましたが……09月、10月27日現在は08月の高値よりは少し低い水準です。さてこの後どうなるかですが、ユーロ高を阻むものとして、まず「EU圏内のゴタゴタ」があります。
イギリスの離脱問題もそうですが、オーストリアとチェコで右系の政党が大躍進していますし、「EUで一人勝ちしているドイツ」とフランスの仲は決して良いとはいえません。
EU域内の政治的な安定が以降も続くのであれば良いのですが、現状からはとても大丈夫とはいえません。政治的に不安定な状況になれば当然ユーロ安になります。
またドイツはともかく、ユーロ高になること(そして金利が上昇すること)にドイツ以外の国が耐えられるわけはないのです。ユーロ高が続伸することになれば、恐らくフランスやイタリアは黙ってはいません。
ECBのお手並み拝見、というところです。
(柏ケミカル@dcp)