アメリカ合衆国は台湾防衛のための兵器を台湾に売却しようとしています。
70億ドル分の武器を台湾に売却する
2020年09月17日、台湾メディア『自由時報』に台湾に売却される武器の種類についての記事が出ました。幾分推測および希望の入った記事ではありますが、これは『Reuters』『The Wall Street Journal』に報じられた「70億ドル分の武器売却」を基にしています。
例えば『The Wall Street Journal』では以下のように報じられています。
(前略)
The complement of American weaponry to be sold to Taiwan includes cruise missiles, mines and other hardware, two officials said, in one of the largest arms deals to the island country. The sale also includes $400 million worth of MQ-9B Reaper drones along with related sensors, logistics, ground control stations, training and other equipment, they said.
(後略)台湾に売却されるアメリカの兵器は島嶼国家に提供されるものとしては最大のものであり、巡航ミサイル、機雷その他のハードウェアが含まれています。また、4億ドルの「MQ-9B リーパー」ドローンと関連センサー、部材、管制施設、訓練設備なども含んでいます。
⇒参照・引用元:『The Wall Street Journal』「米国、台湾に70億ドルの武器を売却」(原文・英語/筆者(バカ)意訳)
このような報道には出てこないのですが、台湾メディアで盛り上がっているのは「HIMARS(ハイマース)」です。『Reuters』の報道によれば、「HIMARS」は台湾が購入したいと希望している装備とのこと。
台湾西岸から中国本土東岸の都市を火制できることになる
「HIMARS(ハイマース)」が特に台湾で注目されているのには理由があります。「HIMARS」は「High Mobility Artillery Rocket System」の略で「高機動ロケット砲システム」と訳されるのですが、大きな破壊力と長射程を誇ります。
↑ホワイトサンズミサイルレンジで試射を行う『HIMARS』PHOTO(C)U.S.Army photo
ロングレンジからロケット弾、ミサイルを発射し面制圧が可能な恐るべきシステムです。また、この「HIMARS」は「ATACMS地対地ミサイル」の運用が可能でこのミサイルの最大射程は300kmとされています。
この最大射程のミサイルを使用すると台湾から中国への着弾が可能なのです。
台湾の西岸に配備された場合、上掲のように中国本土の東岸「福州市」「厦門市」は300kmの射程圏内で火制できることになります。
そのため「HIMARS」と共に「ATACMS」も売却されるのではないかという観測も出ているのです。
もちろん中国共産党にとってはイヤな話なので、もしこれが決まると強烈に合衆国・台湾を非難することになるでしょう。
(吉田ハンチング@dcp)