アメリカ合衆国が中国に半導体を渡さない、作らせない戦術を取っており、中国・中国企業は非常に痛めつけられております。
なんとか半導体を自給自足体制にもっていきたい中国は莫大な予算をかけて、自国半導体産業を育てようとしているのですが、現在までのところうまくはいっていません。
直近1年余りで頓挫した主要なビッグプロジェクトは以下のようになります。
会社名 | 設立 | ステータス |
タコマセミコンダクターテクノロジー | 2015年 | 2020年07月破産宣言 |
GlobalFoundries成都ウエハファブ | 2017年 | 2020年05月正式に閉鎖 |
HuaXinTong Semitech Co. Ltd. | 2016年 | 2019年05月閉鎖 |
武漢弘芯半導体 | 2017年 | 工場建設中止・野ざらし状態 |
インコフレックスセミコンダクターテクノロジー | 2018年 | 操業停止 |
Imaging Device Technologies Corp | 2018年 | 2019年操業停止 |
⇒参照・引用元:『Taiwan News』「中国最大の半導体プロジェクトの6つが現在停止」(元々は『OutlookWeekly』)
どのプロジェクトも数十億人民元を費やした大きなものですが失敗しました。『GlobalFoundries成都ウエハファブ』の工場は、元『SKハイニックス』副社長の率いる新会社に売却されましたが、先行きは不透明です。
ひどいのは『武漢弘芯半導体』で、エンジニアや工場建設労働者は1年間無給です。そのため詐欺案件だったのではないかという指摘が出ています。最初から、お金だけ集めて逃げる算段だったのではないか、というわけです。
しかもこの企業は、台湾企業で世界最大のファウンドリー『TSMC』から上級エンジニアを引き抜いたりして、中国最大の野心的なプロジェクトといわれていたのに、この有り様です。
『インコフレックスセミコンダクターテクノロジー』でも似たような話があり、上級管理職は社を去り、従業員は無給のままでした。
中国が盛んに「半導体崛起(くっき)」と叫んでいますが、実体はこのようなもので、まったく実業となっていません。詐欺案件すら紛れ込んでいるかもしれないのです。
合衆国の締め付けもあるので、中国の半導体自活の道は遠そうです。
(松田ステンレス@dcp)