12月04日に憲法改正の是非を問う国民投票が行われたイタリアでは、結局「否決」という結果となり、レンツィ首相が退任に追い込まれした。この原動力となったのが、EUからの離脱を唱える「五つ星運動」などの野党です。
イタリアのEU離脱への動きが加速するのではないかという観測が強まり、それによる経済への影響が懸念されています。例えば、ジャーナリストの歳川隆雄氏は「欧州各国のEU離脱がドミノのように起こると、リーマンショック並みの影響、また急激な円高リスクが想定できる」という主旨の踏み込んだ発言をしていらっしゃいます。
しかしながら、EU各国の経済状況は決して良いものではありません。ドイツ、フランスを除いてみると、イタリア、ポルトガル、スペインといったEU主要国といって良い国々では厳しい経済状況なのです。これらの国々は、たとえEUを離脱したとしても、独自の通貨を再発行して財政を立て直せるかというと非常に疑問です。
上掲は日本の財務省が公開している各国政府の債務残高の対GDP比の推移を示したものです。日本もよそさまの心配をしている場合ではありませんが、今回注目を集めたイタリアは、その債務残高が対GDP比で159.9%に達しているのが分かります。
また、2010年、2012年、2015年と3回に渡ってEU等に支援要請を行ったギリシャは対GDP比で200%の債務残高を抱えているのです。日本は232.4%に達していますので、このままでは大変マズイことになります。
(高橋モータース@dcp)