韓国の航空産業は2020年のコロナ禍で決定的な打撃を受け、2019年にすでに事実上破綻していた『アシアナ航空』と傾いた『大韓航空』は、国策銀行『産業銀行』の旗振りで合併することになりました。有償増資などを行い、以下のような支配構造になる構想です。
とりあえず、『産業銀行』が進行した『大韓航空』と『アシアナ航空』の合併策は考え得る最善の策だったといえますし、ここまでスピード感※を持って進行できたのは見事です。さすが上意下達の韓国といえます。
※もちろん早く実行しないとキャッシュがなくなるという背景もあります。
とにかく飛びそうでしたので、猛スピードで合併を進めてきたのですが難関が待っています。
9カ国に承認を得る必要がある!
独禁法的な観点から、その企業合併がユーザーに利益をもたらすものであるのかが審査され、承認される必要があるのです(これは各国内の公正取引委員会も同じ)。具体的には、承認必須9カ国が「うん」と言ってくれないと合併できません。
韓国自身もこの9カ国に入っていますが、アメリカ合衆国、EU、中国、日本と難物が控えています。
実はこの9カ国のうち、韓国の申請に対して承認したのはまだ「トルコ」1カ国だけなのです(2021年02月04日承認)。
先にご紹介したとおり、中でも合衆国とEUは「手心は加えない」と表明しています(韓国の立法審査処が確認)。
さてどうなるかですが、もし承認されなければ合併が根本から崩れるので「絵図の描き直し」です。韓国メディアによると『大韓航空』は「大丈夫」としているのですが、本当に大丈夫でしょうか。
(吉田ハンチング@dcp)