韓国メディア『ChosunBiz』に面白い記事が出ました。
韓国を代表する5大市中銀行、すなわち、
『ハナ銀行』
『ウリィ銀行』
『新韓銀行』
『農協銀行』
から預貯金の流出が凄まじく、直近1年間で23兆ウォンがなくなったというのです。
2021年05月:659兆6,335億ウォン
(前年同期:682兆2,184億ウォン)
小計:-22兆5,849億ウォン
確かに約23兆ウォン(約2兆2,133億円)がなくなっています。
同紙によれば、この5つの銀行から途中解約された定期預金口座は、843万1,537にも及び、2019年と比較して「105万643」(14.2%)も増加したとのこと。
資金はもうけが出るところを求める……
このように資金が抜けた理由は低金利のせいです。
韓国はコロナ危機から脱するために金融緩和で史上最低まで金利を下げました。そのため、預貯金の金利は0~1%となっており、普通の銀行にお金を預けていても仕方がないというわけです。
同紙によれば、抜けた資金の一部は「貯蓄銀行」(相互貯蓄銀行)に流れ込んだようです。
「貯蓄銀行」というのは、日本ではあまり知られていませんが、韓国ではポピュラーな存在です。簡単にいうと、低所得であったり低信用であったりする人をメイン顧客とした銀行です。
低信用の人にも信用貸しを行ってくれますし、住宅ローンを組むこともできます(その代わり普通の市中銀行より高利)。また、市中銀行より預金金利が高いのも特徴です。
市中銀行よりも利息がまだしも高いので、韓国の皆さんはお金をこちらに移動したというわけです。貯蓄銀行の預貯金は前年の「66兆7,518億ウォン」(約6兆5,417億円)から27.3%も増加して「84兆9,943億ウォン」(約8兆3,294億円)になっています。
暗号資産に突っ込んでひどい目に遭う人も……
貯蓄銀行に資金を移したのならいいのですが、抜いた資金を株式、不動産に入れた人もいらっしゃいます。中には暗号資産に突っ込んだ人も。
イーロン・マスクの発言、中国の声明などで大暴落したビットコインですが、現在のチャートは以下のようになっています(チャートは『Investing.com』より引用)。
一時は3万ドルを割る寸前までいったのですが、底を確認後4万1,318ドルまで戻りました。
果たしてここからまたテッペンを目指して上昇するだろうか、というところです。6万ドル超でつかんでしまった人はしばらく塩漬け状態という感じでしょうか。
というわけで、韓国の皆さんの資金移動についてご紹介いたしました。
⇒参照・引用元:『ChosunBiz』「일년새 예적금 23조원 증발… 은행권, MZ세대 특화 상품 내놓는다」
(吉田ハンチング@dcp)