2021年05月31日、韓国の統計庁が「2021年4月の産業活動動向」を公表しましたが、興味深い内容です。
まず、2021年04月に全産業の生産高(生産高指数で計測)が対前月比で減少に転じました。
全産業の生産高(対前月比)
2021年02月:2.0%増加
2021年03月:0.9%増加
2021年04月:1.1%減少
2021年02月:2.0%増加
2021年03月:0.9%増加
2021年04月:1.1%減少
2021年に入って生産高は「02月は01月に比べて2.0%増加」「03月は02月に比べて0.9%増加」と回復してきたのですが、04月に全産業の生産高指数は「111.4」※となり、前月比で減少と転じました。
1.1%というのは、11カ月ぶりの大きな減少幅です。
以下のように、韓国にとって最も重要な製造業の生産高でブレーキがかかった点にご注目ください。
製造業の生産高推移(対前月比)
2021年02月:4.7%増加
2021年03月:0.9%減少
2021年04月:1.6%減少
2021年02月:4.7%増加
2021年03月:0.9%減少
2021年04月:1.6%減少
また、製造業における平均稼働率も以下のように下落しています。
製造業の平均稼働率(対前月比)
2021年02月:77.3%
2021年03月:74.9%
2021年04月:73.8%
2021年02月:77.3%
2021年03月:74.9%
2021年04月:73.8%
韓国の製造業で生産高にブレーキがかかっています。
この原因は、主に半導体です。DRAM、フラッシュメモリーなどのメモリー半導体の生産が10.9%も減少したのです。統計庁ではこの減少を半導体の生産調整と見ています(なにせ5カ月連続上昇してきたので)。
気になるのは景気回復の流れがここで腰折れせず持続できるかどうかです。
05月には世界的半導体不足による自動車工場の一部ライン停止が起こっていますので生産高はさらに減少するかもしれまさせん。
⇒参照・引用元:『韓国 統計庁』公式サイト「2021年4月の産業活動動向」
※この指数では「2015年=100」で計算されています。
(吉田ハンチング@dcp)