『韓国銀行』が基準金利を「0.75%」に引き上げ、さあ来た!と韓国の金融業界も色めき立っていますが、興味深い現象が起っています。
市中銀行の預金残高はむしろ減っているのです。以下は『新韓銀行』の例です。
08月27日:120兆6,664億ウォン
09月03日:119兆4,469億ウォン
小計:1兆2,195億ウォンの減少
この『新韓銀行』は市中銀行の中で最も速く金利引き上げに対応した銀行です。積立預金の金利を0.2~0.3%上げたのですが利きませんでした。むしろ流出となっています。
同様に『ウリィ銀行』でも金利を0.1~0.3%上げましたが、「定期預金:1,697億ウォン減少」「積立金:60億ウォン減少」となりました。
これは、韓国の皆さんがまだ「銀行にお金を預けても仕方がない」と考えていることを意味しています。つまり、『韓国銀行』の李柱烈(イ・ジュヨル)総裁が先に述べた「0.75%にしてもまだ金融緩和的だ」という言葉が意識の点で正しかったことを裏付ける現象です。
市中銀行の定期預金金利:1%台
市中銀行の積立金の金利:2%台
市中銀行の積立金の金利:2%台
ですが、この程度の金利上昇では「銀行にお金は戻ってこない」のです。
しかし、一方で融資金利、つまり銀行がお金を貸し出す際の金利の方も着々と上昇しています。
08月終わり時点で、市中銀行のローン金利は「2.98~4.05%」まで上昇しています。
韓国メディアでは「預金金利はなかなか上がらず、ローン金利はすぐに上昇する。庶民泣かせだ」的な嘆き節がありますが、そもそも銀行というのはそういう商売。非難される筋合いのものではないでしょう。
しかし、まだまだ金融緩和的というので『韓国銀行』は、10月にも次の利上げを行うというのが下馬評です。ブレーキが利き過ぎることにならなければいいのですが。
(吉田ハンチング@dcp)